【静岡展望】静岡が抜け出ているが、藤枝明誠と東海大静岡翔洋が食い下がるか
6月24日、今年の静岡大会の抽選会が開催され、総勢112校で優勝をかけて戦う組み合わせが決まった。
静岡が本命として揺るぎないが、春季静岡県大会を制した東海大静岡翔洋やベスト4進出でシード権を獲得している磐田東と藤枝明誠等が追いかける存在となりそうだが、果たしてどこが止められるのか…。組み合わせから静岡大会を占ってみた。
優勝候補本命の静岡を春季県大会3位の藤枝明誠が追う
池谷蒼大(静岡)
静岡の初戦は、浜名と聖隷クリストファーの勝者となるが、静岡にとっては難敵だ。聖隷クリストファーは昨秋には準決勝で変則左腕河合 竜誠投手が静岡を完封しているという実績もある。聖隷クリストファーが来るようだと静岡にとっては初戦が厄介になるだろう。ここを抜ければ、やはりスイスイとベスト8あたりまではいきそう。
反対側のベスト8をかけた戦いとしては、掛川西と常葉橘との勝者の戦いになりそうだ。シードの掛川西は初戦で元近鉄などのスラッガーだった中村 紀洋コーチを招聘している浜松開誠館と当たりそう。常葉橘は初戦が浜松日体でこの試合も面白そうだ。いずれにしても、ベスト4をかけて静岡と戦う前にもハードルがあるということだ。
その静岡と準決勝で当たるゾーンになるのが藤枝明誠と島田商のゾーンだが、189cmの大型右腕佐々木 健のいる小笠が勝ち上がれば、4回戦で藤枝明誠と当たることになりそうだ。もっとも、小笠にとってはその前に駿河総合、静岡学園、さらには昨夏以降に就任した森下 知幸監督が率いる御殿場西なども待ち構えているので、容易ではない。島田商にも静岡市立、富士、桐陽などが立ちはだかりそうで、油断はならない。勢いに乗るチームが表れたら、一気にベスト4あたりまで走る可能性はある。
春季県大会制覇の東海大静岡翔洋、磐田東も要注目!
寺田祐貴(磐田東)
反対ゾーンでは今春の優勝校で静岡の最大の対抗馬とされている東海大静岡翔洋に浜松学院と静岡商の勝者が当たりそうだ。さらには昨夏の代表校常葉菊川と近年躍進している浜松修学舎などもいる。ベスト8までも険しい道のりにはなる。それを待ち受けるのが、清水桜が丘を軸として伝統の浜松商や投打で評価の高い比屋根 彰人を擁する飛龍、昨年まで常葉橘を率いて昨春は東海大会も制した小林 正具監督を招いた静清などだ。昨夏に準決勝に進出し大健闘した袋井もこのゾーンにいる。どこが勝ち上がってきても不思議ではない激戦ゾーンになっている。
第4シードとして4隅の一角を貰った磐田東は4回戦での日大三島や浜松市立などとの戦いが一つのヤマとなりそう。初戦の好カードの一つとなりそうなのが富士市立と知徳だ。この勝者が勝ち上がっていけば、4回戦でシードの掛川東と当たりそう。準々決勝で磐田東と掛川東の順当なシード対決となるのか、いずれもが崩されていくのか、このゾーンは突出した存在があるわけではないので接戦が相次いでいくことになろう。
相対的には、静岡を筆頭として東海大静岡翔洋の一騎打ちの構図。そこには伝統校の掛川西や島田商が食い込む一方で、新鋭私学の一角ともいえる磐田東に藤枝明誠、聖隷クリストファーなども上位を狙う。こうした、新旧入り乱れた静岡県の勢力構図を俯瞰するのも面白い。
(文=手束 仁)