試合レポート

富島vs小林西

2015.07.13

宮崎大会開幕!開幕ゲームから接戦続き、富島が重みのある夏1勝!

 宮崎大会の開幕ゲームは、9回裏2-2。二死二、三塁。
延長戦に突入か?と思われた中飛球が、強風に戻されてセンター前に落ちた。9回サヨナラ。
勝利したナインは、力強くガッツポーズ!白い歯をみせ、勢いよくベンチから飛び出し、最高の笑顔で集まり抱き合った。
優しい笑顔をみせる監督、涙する女子マネージャー。
勝者側スタンドも一体となり、甲子園の切符を掴んだかのような歓喜に包まれた。
それだけ、重みのある「夏1勝」を手にした富島

始まりは、2013年4月だった。
部員不足で、野球部の存続危機にまで直面していた県立・富島(日向市)に、濵田登監督[前任:宮崎商監督、2008年夏に赤川克紀投手(東京ヤクルト)を擁して甲子園出場]が赴任した。
濵田登監督が、自ら学校内で野球部員を寄せ集めて出場した同年夏(第95回大会)は、3年生0名、2年生5名、1年生6名+マネージャー4名で出場するも、小林10-0富島(5回コールド)。手も足も出ず、初戦敗退。チームとして出場することが出来ただけでも、大きな意義のある夏だった。

2014年4月。
「濵田監督のもと、富島で高校野球をやりたい!甲子園を目指したい!」そんな志をもった地元球児が入学した。
木村天響捕手・吉田寛輝投手ら、県内を代表する有力選手が富島へ。
「野球をするために富島へ。」前代未聞のことだった。

同年夏(第96回大会)
は、3年生5名、2年生6名+マネージャー3名、1年生17名+マネージャー3名で出場。
1年生主体チームで必死に喰らいつくも、第7シード都城商9-2富島(7回コールド)。初戦敗退。
相手がシード校でなければ1勝出来そうなチーム状態になっていたが、まだ、メンタル・フィジカルともに若さが露骨となる部分があった。

2014年秋季大会(第135回九州地区高等学校野球大会宮崎県予選)で公式戦初勝利をすると、同大会優勝の延岡学園には4-3で惜敗。強豪校を苦しめ、対等に戦えるチームにまで急成長した。直後に行われた第41回宮崎県1年生野球大会(現2年生)で見事優勝

そして、今日。
最後は、強風も味方をしてくれた。
ノーシードながら実力校の小林西を相手に、濵田登監督就任3年目、学校としては2009年夏ぶりとなる待望の「夏1勝」。
ここから、さらに富島野球部ストーリーが刻まれることを楽しみにしている。

富島の二回戦は、九州ナンバー1投手との呼び声も高い、プロ注目右腕の横山楓を擁する宮崎学園と激突する。
2年生主体チーム富島が、3年生主体チームと対等に戦うことができるか?宮崎学園・横山が、どのような姿で夏のマウンドに立つことができるか?注目が集まる。

(文=三角竜之


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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