神宮第二のラストデーで躍動した逸材たち 骨太の二刀流・折笠 利矩(日大二)
11月3日、高校野球の会場で長く使用されてきた[stadium]明治神宮第二球場[/stadium]はラストデーを迎えた。3日に開催された秋季都大会準々決勝の創価vs日大二、日大三vs帝京の2試合はラストを飾るに相応しい試合だった。
いずれも白熱とした2試合だったが、4校とも逸材が多かった。来春へ向けて進化を期待したい逸材を紹介していきたい。まずは日大二だ。
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創価vs日大二
西東京屈指の二刀流へ。勝負の冬へ入る
日大二・折笠 利矩
日大二は、年間通した体づくりが行われており、体つきががっしりした選手が多い。エース・折笠 利矩は173センチ72キロと鍛えられた体つきをしている。迎えた創価戦では6回まで無失点の好投。終盤に6失点を喫してしまったが、この力投は称えるべきだろう。
折笠は武蔵府中シニア時代から評判の投手で、1年生時から日大二の田中監督からも「投打ともに能力が高い選手」として期待されていた。左スリークォーターから投げ込む直球は常時120キロ後半~130キロ前半を計測。そのストレートはりから繰り出す直球は威力がある。
1年生時から成長を感じられるのは変化球のコントロールが上がったこと。スライダー、カーブだけではなく、決め球としてフォークを右打者の外側に落とせることになったことで、攻めの幅が大きく広がった。
何度も走者を背負いながら、折笠はペースを乱すことなく、打者の勝負に集中し、スライダー、フォークを低めに集めるピッチングで強力な創価打線を抑えていく。ピンチで持ちこたえる精神力の強さは見事だった。
前半までのピッチングについて折笠は「低めに攻めることができました」と手ごたえを感じていた。田中監督も「良かったです」とエースの投球を評価。その要因としてしっかりと間隔を空けたことが大きいと語る。
「前回の東京日本ウェルネス戦(10月26日)では8回3失点を喫しましたが、あれは2回戦の桜美林戦から登板間隔(10月23日)がなかったからですね。しっかりと1週間を間隔をあけて調整をすれば、創価打線でも抑えてくれる投手だと期待して送り出しました」
指揮官の期待通り、6回まで無失点の好投を見せた折笠だが、終盤に制球が甘くなってしまい、エラーも絡んで、6失点を喫した。
田中監督は「投手が頑張っているのだから、野手が守ってあげないと」とかばったが、それでも折笠は「終盤はスタミナが切れてしまい、コントロールが甘くなってしまいました。終盤まで球威が落ちない、コントロールが乱れないスタミナを強化することが大事になると思いました」と。
また4番に座る折笠は懐が深い構えから創価のエース・森畑 侑大の直球、変化球に対応し、2安打を記録。今大会は17打数8安打、4打点の活躍だった。まだ高校通算4本塁打とのことだが、投打ともにパワーアップすれば、西東京屈指の二刀流になるかもしれない。
(記事=河嶋 宗一)