試合レポート

聖徳学園vs都立永山

2017.07.12

逆転に次ぐ逆転!延長11回にまでもつれた熱戦は、聖徳学園が制す

 「野球は最後までわからない」
この言葉を改めて感じる試合となった。

 試合が動いたのは2回。聖徳学園は5番小池 隆登が右線へ三塁打を放ち、先制の好機を作る。続く6番石川 稜大がきっちり右犠飛を放ち、1点を先制した。それから中盤までは投手戦が続いた。聖徳学園菅家 大樹都立永山星 敦貴の両投手が気迫の投球を見せた。

 投手戦となっていた試合から、6回以降は打撃戦となった。聖徳学園は、先頭の2番坂元 大地が四球で出塁し、その後二死三塁とする。ここで5番小池が左前へ適時打を放ち、追加点。さらに6番石川の打球が相手守備陣のミスを誘い、小池も生還。3対0と試合を優位に進めていくかに思われた。

 リードを広げられた直後の6回裏。都立永山は、2つの死球を出すなど突如制球の乱れた、菅家を攻め立て、好機を作る。そこから4番平川 雄太・5番平松 龍也の連続適時打、6番星には左中間を破る適時三塁打が生まれるなどして、一挙5得点。一気に試合をひっくり返した。

 試合は2点差のまま、最終回へ。このまま都立永山が中盤の集中打で逆転勝利したかに思われた。しかしながら、ここからがこの試合の始まりだった。
 聖徳学園は先頭の6番石川が四球で出塁し、7番菅家も安打で続き逆転の走者を出した。その後無死満塁として、代打・浅見 明弘が左犠飛を放ち1点差に迫った。その後二死一、三塁となり2番坂元。あとアウト1つで試合終了という状況であったが、ここで主将の意地を見せた。とらえた打球は三塁手の頭を越え、左線に落ちた。外野を転々とする間に一塁走者までもが生還し、逆転。土壇場でのドラマに、スタンドが沸いた。

 逆転を許した都立永山だったが、全く諦めていなかった。失策や犠打で二死二塁と得点圏に走者を置き、3番永井 祐輔。放った打球は、三塁手の横を破る適時打となり、同点。試合は延長戦に入った。

 そして迎えた11回。試合を決めたのは、9回に一時逆転打を放った主将の一振りだった。二死後、二者連続安打で2番坂元に打席が回る。そしてとらえた打球は、右前へ。二塁走者が必死の走塁を見せ、本塁クロスプレーとなったが見事生還。勝ち越しに成功した。

 その裏の攻撃を聖徳学園が抑え、熱戦に終止符を打った。逆転に次ぐ逆転となった激戦は、聖徳学園が7対6で都立永山を下した。最後まで目の離せない展開に、スタンドからは試合終了と同時に拍手が起こった。まさに高校野球らしい、「感動」を与えた一戦であった。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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