試合レポート

東京成徳大深谷vs春日部東

2015.05.02

投打に成徳深谷が全開。14安打に投げては完封

完封勝利の落合(東京成徳大深谷)

 予想を覆す東京成徳大深谷の快進撃が止まらない。
投げては先発の落合が完封し、打線は14安打を放つ。東京成徳大深谷3年生17名が無欲の勝利を掴みベスト4に進出した。

 1回表、東京成徳大深谷の攻撃は1番・高橋がライトへヒット、2番・後藤もレフトへのヒットで続き、無死1・2塁のチャンスを作り出す。3番・河田の送りバントは投手正面に転がり、2塁走者は3塁で刺され1死。4番・江花のライト前ヒットで満塁とチャンスを広げるが、5番・佐野は2塁正面のゴロ、4―6―3のダブルプレーとなりチャンスを逃す。
2回も6番・吉田のヒットと犠打でチャンスを掴むが後続が押さえられ0点。
得点にこそならなかったが、じわじわとチャンスを作り続けてきた東京成徳大深谷は続く3回、1番・高橋の2本目にヒットに2番・後藤は3塁ゴロ。5-4-3と渡ったが併殺はならず2塁はセーフ。3番が倒れたが4番・江花がレフトへタイムリーを放ち東京成徳大深谷がついに1点を先制する。

 春日部東の先発・菅谷は6回までに8安打2死四球と毎回のように走者を出すが、3回の1失点と粘りの投球を見せていた。そんな菅谷に対し、1対0で迎えた7回表。東京成徳大深谷は好調の1番・高橋が打席に入る。1ボール後の2球目をフルスイングすると、打球はレフトにあがりそのままスタンドへ。待望の2点目が東京成徳大深谷に入り2対0とリードを広げた。

2015年度 春季高校野球大会 特設サイト
【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う!

生還し笑顔の東京成徳大深谷ナイン

 春日部東は、3回まで三者凡退に抑えられ、4回以降も走者を出すが、東京成徳大深谷先発の落合伸びのあるストレートにスライダーと巧みに緩急をつけた投球に後続を押さえられ無得点。

 2点差を追う9回裏、春日部東最後の攻撃。9番・途中出場の保田がレフト前ヒットで出塁。しかし、1番・仲井間の3塁ゴロで1塁走者が2塁封殺され1死。2番・森合はライトへの2塁打で2・3塁と一打同点のチャンスを迎える。しかし東京成徳大深谷の落合も粘り、続く3番・渡部はセカンドフライ、4番・阿葉家もレフトフライに押さえ試合終了。

 東京成徳大深谷の先発・落合は、ここまで3連投も球威十分なストレートに変化球と緩急をつけた投球で春日部東打線を3安打無得点に押さえ完封した。
東京成徳大深谷はチーム「愛」をテーマに各人が自分の役割に徹し、全員で最後まで諦めない強い意志が、3年生17人の心を繋ぐ大きな武器になっている。昨年4月にグランドが無くなり練習はキャッチボールが中心。バッティング練習は土日にバッティングセンターで行い、フリーバッティングは出来ないなどの厳しい環境だ。チーム存続の危機に1・2年生は去り、残るは17名の3年生のみでこの厳しい状況を戦っている。
一日でも、一試合でも多くの執念がベスト4の結果を産んだ。「まさか」の勝利。気迫の野球が実を結んでいる。

(文=滝島 利夫

2015年度 春季高校野球大会 特設サイト
【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.07

上田西が0封に抑えられて初戦敗退 23年はオリドラ1を擁して甲子園出場

2024.07.06

23年三重王者・いなべ総合が初戦で敗れる!9回に逆転満塁弾を許す

2024.07.07

滋賀大会では日野がサヨナラ勝ち、伊吹はコールド勝ち【2024夏の甲子園】

2024.07.06

MAX153キロ、高校通算39本塁打、偏差値70! 東京の超進学校に現れた“規格外の男”森井翔太郎の「気になる進路」

2024.07.07

大阪桐蔭・德丸らとU-12代表経験のエリート主将率いる立命館守山が5回コールド発進!【24年夏・滋賀大会】

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.05

春連覇した加藤学園は悲観達成を狙う! 静岡、日大三島、藤枝明誠、プロ注右腕・小船を擁する知徳らが行く手を阻む!?【2024夏・静岡大会展望】

2024.07.05

静岡大会ではノーシード勢が初戦、常葉大菊川、聖隷クリストファーが開幕6日に登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

大阪大会は京セラドーム大阪で6日に開幕、大阪桐蔭は14日、履正社は14日に初戦【2024夏の甲子園】

2024.07.05

三重大会が6日開幕、昨夏代表のいなべ総合が初日に登場【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!