試合レポート

彦根翔西館vs安曇川

2019.07.07

彦根翔西館が自慢の打力を発揮して7回コールド勝ち

 滋賀大会の開幕戦は打力のある彦根翔西館が中盤から力を発揮。食い下がる安曇川を7回コールドで退けた。

 彦根翔西館は伊吹克己監督が「打って勝つチーム。投手以外は打てると踏んでいる」と話すように打撃に自信を持つチーム。2回表に7番・田口慎士(3年)の犠飛で先制したが、3回までは安曇川の先発・青井隼人(1年)の緩い変化球に交わされて、本来の打撃は鳴りを潜めていた。

 停滞していた流れを変えたのは中軸の一発だった。4回表にこの回先頭の5番・杉本仁(3年)が高めに浮いた変化球を逃さず、レフトスタンドに飛び込む大会第1号の本塁打を放つ。「杉本の本塁打でチームがほぐれた」(伊吹監督)と勢いに乗った彦根翔西館はこの回4得点を奪って試合の主導権を握った。

 その後も攻撃の手を緩めることなかった。6回に3点、7回にも4点を奪って7回コールド。5本の長打を含む17安打12得点と打ち勝つ野球を体現して開幕戦を飾った。本塁打を放った杉本によると春季大会が終わってからは遠くに飛ばすことを意識して打撃中心の練習を行ってきたという。序盤こそ本来の力を出し切れていなかったが、「しっかり引き付けて叩いたら打球は抜けていく」と伊吹監督の指示を受けたことで4回以降は自分たちの打力を発揮することができた。

 2016年に彦根西彦根翔西館の統合で開校された彦根翔西館はこれが単独チームとしてはこれが夏の初勝利。初めて彦根翔西館の校歌が試合後の[stadium]皇子山球場[/stadium]で流れた。学校として新たな歴史を作ったが、「まだまだ上に行けると思っています」と伊吹監督はさらなる躍進を狙っている。

 部員14人の安曇川は7回コールドで敗れたが、意地は見せた。8点ビハインドの6回裏に一死一、二塁から3番・上原一樂(2年)がライト線への適時二塁打を放って1点を返すと、続く4番・南宗馬(1年)の犠飛でさらに1点を追加して見せ場を作った。

 安曇川は14人中11人が1年生。22失点した春に比べて攻守に成長した姿が見られ、今後が非常に楽しみなチームだ。唯一の3年生部員である主将の広谷聖弘(3年)は「僕が抜けるだけで残り8つのポジションは下級生。秋は勝てるように頑張ってほしいです」と後輩にエールを送っていた。

(文:馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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