【甲子園】2回戦 花巻東 vs クラーク国際
1時間34分の中断は恵みだった…、花巻東がフルカウントからでも投手交代を決断できた理由
<第105回全国高校野球選手権記念大会:花巻東2-1クラーク記念国際>◇13日◇2回戦◇甲子園
クラーク記念国際(北北海道)vs花巻東(岩手)の一戦は手に汗握る熱戦となった。7回が終わって1対1。ただ、花巻東からすれば嫌な雰囲気があった。
クラーク記念国際の新岡 歩輝投手(3年)を打ちあぐねていた。右サイドからの直球は常時130キロ後半〜143キロで、初戦の前橋商(群馬)戦よりも球が走り、主砲・佐々木 麟太郎内野手(3年)もそこまで無安打に抑え込まれていた。佐々木も「本当に素晴らしい投手でした」と称えるほどの投球に、徐々に追い込まれていった。さらに、7回から満を持して登板した小松 龍一投手(2年)がいつもより調子が悪く、7回に同点を許してしまっていた。
8回、クラーク記念国際が1死一、三塁のチャンスを作り、3ボール2ストライクとなったところで雨が強くなった。1時間34分の長い中断となったが、花巻東側からすれば恵みの雨だった。クラーク記念国際が追い上げムードの中、花巻東の佐々木監督が「本当に大きかったですね」と語るように、中断の途中で、投手の交代を決断。右サイドの中屋敷 祐介投手(3年)を登板させた。佐々木監督は交代理由を語る。
「あんなに小松が悪かったのも見たことがなかった。中断になったことで冷静に小松の投球を見直すことができて、ボールがかなり多かったので、フルカウントでありましたが、しっかりと投げられると思い、中屋敷を投げさせました」
再開後、中屋敷は四球を出してしまったが、後続の打者を抑えピンチを見事に切り抜ける。その後、千葉 柚樹内野手(3年)の適時打で勝ち越しに成功し、逃げ切った。
もし雨がなければ、小松を続投させていたという佐々木監督。中断中に冷静に戦局を見直した花巻東の判断が「吉」とでた。
3回戦では出場校の中でもトップクラスの強力打線を誇る智辯学園(奈良)と対戦する。