試合レポート

白子vs海星

2010.04.28

2010年04月29日 市営霞ヶ浦第一野球場

白子vs海星

2010年春の大会 県大会 準々決勝

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小田和(白子)

白子が三重県4強に名乗り!

四日市市の霞ケ浦第一野球場で行われた三重県春季大会準々決勝第2試合は、白子海星 の顔合わせになった。
白子は、まだ全国的な知名度はないものの、県内では常に上位に位置する実力校である。この日も初回に4点を先制。一時は 海星 に追いつかれたが、直後に3点を加えて突き放し、昨秋県大会に次いで今春も県ベスト4に名を連ねた。

白子は選手個人の才能も豊かだ。捕手で4番打者の小田和毅は、身長180センチと大型で地肩も強い。ただ、打席でのスイング、守備での送球ともに時折アバウトになるのは改善すべき点。素質はいいものを持っている。
同じく好素材は5番打者の長谷雄(はせお)諒成。プロのスカウトがストップウォッチ片手に見つめる大型選手だ。昨年は投手を務めていたが、秋に肘を痛めて以来、野手として打棒をアピールしている(ただし投手を断念したわけではなさそう)。 この試合でも、右へ左へ単打を重ねて5打数4安打。本人は「6回の好機(第4打席)に三振してしまって…」と反省を忘れなかったが、表情は明るい。ちなみにこの試合のゲームセットは、ライト前への巧打で一塁へ駆け込む打者走者を、右翼手・長谷雄が一塁手へ豪球を送って刺した「ライトゴロ」であった。

守っては2投手のリレーで、食らいついてくる 海星 打線を相手に踏ん張った。先発は2年生で背番号10をつける水野啓一朗。立ち上がり、3連打を浴びるなど2失点。4回裏にも2点を与えたが、先発として6イニングスを投げ抜いた。後を継いだ小田直希は、トルネード投法気味のサイドハンド。四球や味方のエラーで走者を出すも、力のある速球を武器に安打を許さず、後半3イニングスを無失点で抑えた。

敗れた 海星 は、下級生主体のメンバー構成。試合前半の打線の勢いが、後半に止まってしまったのが選手たちにとっても不本意だっただろう。好投手が揃う投手陣もこの日は状態が悪く、先発のエース吉田健志は4失点でKO。「長いリーチで変則フォーム」がウリだが、どこか投げにくそうであった。2番手の村木優馬も、2年生としては上々の投手だが、3イニングス目に息が上がり、暴投を連発。4番手で登板した畠山高弥は、4イニングスを無失点に抑え、評判高い潜在能力の片鱗を見せた。スピードのあるストレートに見るべきものがある。

三重県大会ではこの日、センバツ出場校・三重を下した「 いなべ総合学園 」などベスト4が出揃った。
5月1日(土)の準々決勝(松阪球場)は、 菰野×宇治山田商いなべ総合学園×白子 の組み合わせ。 菰野関啓扶いなべ総合学園近藤佳史という、ともにプロ注目の本格派右腕を擁しており、注目度の高い試合となる。

三重県の球場は、駅から離れた場所にあり、移動にやや苦労する。そのうえ、岐阜から三重へ向かう場合などは(直接の電車がないので)一旦、名古屋駅へ出なければならない。公共交通機関で移動する身にとって「三重遠征」は若干、時間がかかる。
それでも、足を運ぶたびに逸材に会えるから、楽しみでなのである。

(文=尾関雄一郎)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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