中京vs可児工
中京が、コールドで岐阜大会開幕戦を飾った
攻めの手を緩めなかった中京が、コールドで岐阜大会開幕戦を飾った。
中京の4番・安江嘉純のバッティングに驚かされると同時に、その成長ぶりが嬉しかった。
冬・春を越えて打撃が非常にダイナミックになった。腕の使い方が、以前とはかなり違うのだ。フォローまで大きく振れて、豪快に飛ばすことができるようになった。第2打席の左翼2点タイムリー二塁打などはそれが顕著にあらわれていた。
昨秋の安江は、どちらかと言えば単打狙いのバッティングで、185センチの上背の割にやや打撃が小さく見えた。ミートセンスもあったから、それでも良かったが、やはりこれだけの長身選手なら、大きな当たりも見せてほしいというもの。対外試合禁止の期間中に、しっかり振り込んだのだろう。
この安江、1年生の秋には投手としてマウンドで投げていたが、筆者はこの時に高い素質に惚れ込んだ。しなやかな腕の振り、指先感覚、球速表示以上の球質…。以後は故障により投手業からは遠ざかっていたが、今夏は状況次第で登板も考えられるということで、そちらも楽しみだ。
中京の先発は、エース加藤智弘の状態が万全ではないということもあってか、背番号17の荒木真陽。長い腕をシャープに振って、打たせてとる投球を展開した。1番を打つ近藤慎晃が、4回裏に今大会第1号の本塁打を放った。小柄ながら体ごと振り抜いたようなスイングで、投球と見事に衝突、レフトスタンド中段まで飛ばした。
* * *
可児工の先発は1年生サイドハンドの土屋優貴。そんなに制球は乱れないし、時折ハッとさせるような球も見られた。2番手の伊里優輝はカーブが持ち味。捕手で4番の田口元貴は、まずまずのパワーと強肩を見せた。
5点を追う5回表、可児工は3本のヒット(いずれもセンター返し)で1死満塁のチャンスを作る。球場がざわめきを見せた。しかし残念ながら、後続の打者が右飛(中京のライトを守る安江が強肩のため、タッチアップも自重)、投ゴロに倒れ、ホームベースを踏むことはできなかった。
1年生、2年生が主体の若いチームだけに、この経験を秋以降につなげたいところだ。
(文=尾関 雄一朗)
[:addclips]
[:report_ad]
可児工 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中京 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | 2 | X | 7 |
中京:荒木、足立-曽貝 可児工:土屋、伊里-田口元