開星vs立正大淞南
白根(開星)
一皮剥けた大黒柱
3回を投げ、被安打5、四球2、自責点3。
「点差があったし、詰めが甘かったと思う」(白根)
そんな白根に対して野々村直道監督は「話にならん」と試合後、距離を置いた。そして翌朝の試合前の練習で「先発できるか」との問いに白根は「いきます」と即答した。それだけにこの日の白根は、前日の不甲斐ないピッチングを踏まえて、何とかしたいという執念があった。
自ら「一球、一球に魂を込めて投げました」というように、この日のマウンド上での立ち姿からも気迫がみなぎり、降りしきる雨を物ともせず、重量感あるストレートで押しまくった。
結局、この日の白根は、5回を投げ、打たれたヒットは3回に8番・川崎雅也の投前への内野安打1本のみ。それも、ぬかるんだグラウンドでなければ、もしかしたらアウトになっていたかも知れないという当たりだった。
打っても2本の二塁打を含む4打数3安打と白根が投打に活躍し、開星が5回コールドで明日の決勝へ駒を進めた。
試合後、野々村監督は「(白根は)経験のある子だし、投打の中心になってやってもらわないと。あいつ(白根)が、力を発揮したらみんながのってくる」と前日とは打って変わって納得の表情をみせた。
開星は、山陰大会を3連覇中で、もちろん4連覇を狙っている。今大会の位置付けとしては、勝って夏に勢いをつけるという大きな意味があるだけに、大黒柱・白根を中心に投打が噛み合い、雨中のゲームを圧勝したことは大きいだろう。
そしてこの日の試合について、噛みしめるように白根はこういった。
「自分が自信をつけるために」
一皮剥けた大黒柱の言葉が頼もしく聞こえた。
(文=編集部 アストロ)