エネルギーを蓄えるために心がけること(3/3)
第36回 エネルギーを蓄えるために心がけること (3/3)2011年06月30日
【ついに高校野球の夏!スタミナをしっかりつけよう】
暑い毎日が続きます。早い地区では大会が始まっていますね。ほとんどの地区が間もなく開幕…皆さん一生懸命頑張っていることでしょう。
今月は「エネルギーを蓄える」3回シリーズの最終回です。今回は「試合当日に心がけること」をお話します。
今回のキーワードも、おなじみの「炭水化物」です。エネルギー源でしたね。「また炭水化物かよ!!!」と思った人もいるかもしれません。でも、それだけ大切な栄養素だということ。しっかり意識してほしいと思います。
さて、「試合当日はどういった食事にしたらいいですか」という質問をよく受けます。前日までにエネルギーをしっかりため込んでいるとは思いますが、当日も補給することが大切になります。
まずは、朝食を食べること。第一試合であっても、消化のことを考えて食事は試合の3時間前までに済ませてしまいましょう。もちろん、第二試合、第三試合でも同じです。昼食を試合前にとる時は、試合の3時間前まで。自分の試合時間から逆算して、食事時間を調整しましょう。
試合前は緊張している人も多いと思います。マネージャーだった私も緊張していたくらいですから…選手のみなさんはきっと緊張しているでしょう。そんな状態でも「喉を通らないから朝食はとらない」というのはダメ、絶対にダメです。
食事は炭水化物を重視した消化のいいものを食べるようにしましょう。ご飯はもちろん、うどんやもちもいいですね。オリンピック選手のレース当日の朝食が「力うどん」だったという話も有名です。そばには炭水化物の吸収を促進する「ビタミンB1」も多く含まれますから、上手に取り入れていきましょう。逆に脂質の多いものは消化が良くありませんので、ご注意を。
【試合終了は、次の試合への準備のスタート】
試合時間が近づくと、試合前練習に集中してしまい栄養補給を忘れてしまいがちです。果物やエネルギーゼリーで忘れずに補給しましょう。
前にも書きましたが、野球の試合時間は長い。ですから試合中もチェンジの時間を利用してエネルギー補給をしましょう。プロ野球の選手も試合中の補給を意識しているようで、中には裏でオレンジやグレープフルーツを食べる選手もいるそうです。これはビタミンCも含まれますから疲労回復にも役立ちますね。みなさんには何ができますか。万が一延長になった時のことまで考えて、エネルギー補給をしておきましょう。延長に入ってからでは遅いですよ。
試合終了は、次の試合への準備のスタート。使ったエネルギーを補給し疲労回復できるよう、100%果汁ジュースやおにぎりで補給しましょう。余談ですが試合後は、たんぱく質をとって筋肉の修復を促しましょうね。次の試合への準備は、試合直前の食事の繰り返しです。がんばりましょう。
保護者の方、寮などで食事を提供される方は、細かいお願いになりますがご協力よろしくお願いいたします。指導者の方は、エネルギー補給の準備をよろしくお願いします。もちろんエネルギー補給の時間の配慮や指示もよろしくお願いいたします。
みなさんがベストの状態で試合に臨めるよう、また最高の結果が残せるよう祈っております。
(文=鎌倉 彩)
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