肩部のコンディショニング3-1
第38回 肩部のコンディショニング3-12011年09月20日
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投球障害について解説!まずは理論をしっかり押さえよう
肩のコンディショニング編、今回は投球障害の理論について解説します。肩に痛みは感じていませんか?そんな時、どうして痛いのか、どうすれば改善できるのか、まずは痛みが起きる仕組みをしっかりと押さましょう。
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[目次]
Ⅱ 腱板疎部損傷
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Ⅱ 腱板疎部損傷
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Ⅰ インピンジメント症候群
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A メカニズム
インピンジメントとは衝突を意味します。肩においては、肩峰と烏口突起の間にある烏口肩峰靭帯の第二関節に腱板、肩峰下滑液包がぶつかる症状です。このインピンジメントは1:この通路自体が狭くなり発生するもの2:棘上筋が弱化して骨董の引き込みがおきず、三角筋で上方にあげた結果発生するもの3:後方関節包の短縮で骨頭が滑らず前上方にぶつかるものがあります。症状としては
【ステージ1】滑液包に浮腫と出血が起きている。ピッチャーなどに多い。安静すればよい。
【ステージ2】滑液包に線維化と肥厚がおき、そのために肩峰下腔がせまくなり、動かすたびに痛む。腫脹、浮腫が増して悪循環となって再発を繰り返している。
【ステージ3】筋がぶつかりすり減ると筋損傷から断裂。上腕二頭筋の損傷、肩峰に骨棘など2次症状が起きる。最初は投げていて痛みがでてきて、悪化すると日常的に、また夜間に痛みが出てくる。
B 部位
肩峰と大結節の棘上筋付着部の前方部
C 可動域
動きはある。ひどい場合は動きは制限される。
D 筋力
痛みのため力が出ない。
E 音
肩峰の下に手をおき、滑液包に指を置き、60~120度外転で音を感じる場合がある。
F テスト
1:ペインフルアークで60~120度で痛みが出て、超えるとなくなる。棘上筋炎を疑うなら筋力テスト、ドロップアームでチェックする。
2:ニアとホーキンスのテスト
3:ドクターの診断(インピンジメント注射テスト)
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Ⅱ 腱板疎部損傷
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Ⅱ 腱板疎部損傷
これも野球でよくある損傷です。烏口突起外側における棘上筋腱と肩甲下筋腱の間隙で、その間に筋がなく疎部になっており、関節包があるのみです。棘上筋の上には烏口上腕靭帯があります。この部位は抵抗に弱い構造で、肩の急激な外旋位から内旋で損傷を受けやすいです。
病状は1つは不安定、もう1つは拘縮です。安静時は痛みがなく、外転・外旋位で運動痛が出てきて、肩の内旋、下方へのルーズが出てきます。
烏口突起の1本指分外側に圧痛があります。損傷が強いと薄い膜状の関節包のみとなっている場合があり、内部の滑膜が肥厚し滑液包に癒着して、棘上筋、肩甲下筋も充血している場合もあります。慢性化は禁物です。
Ⅲ 上腕二頭筋長頭腱症候群
上腕二頭筋長頭腱は、結節間溝内を通り、90度走行を変えます。この部位を上腕二頭筋腱滑動機構と言います。腱は棘上筋と肩甲下筋の間にあり、関節包に包まれている上を横靭帯が止めています。腱鞘(けんしょう)と同じシステムです。
肩が内旋すれば上方に、外旋すれば下方に腱は移動します。腱は90度走行変換部でストレスがよりかかり、腱炎や狭窄(きょうさく)性腱鞘炎になります。
また結節間溝は上腕骨軸に対して30度傾いていますが、これが45度未満まで開くと、形成不全で脱臼しやすくなります。また、2次症状として腱板機能障害で骨頭が上方に転位して、外転時に結節間溝のインピンジメント症候群となる場合も多々あります。
次回も引き続き、投球障害の理論編についてお話いたします。