鳥羽vs北桑田
北桑田・中島海主将
自分達の野球をやることとは…?
1回と2回で大量、7点を与えてしまった北桑田。準決勝まで進出してきた勢いは、選抜大会出場・京都鳥羽の前に阻まれた。
トータルのスコアだけを見る限りは完敗である。
ただキャッチャーで主将の中島海(3年)は何よりも悔しいこととして、「いつもどおりの、自分達の野球ができなかった」ことを挙げた。
野球は点取りゲームであり、勝負事なので、失点をすることやミスが出てしまうことはある。問題は、そうなった時にどうするかだ。
主将の言葉、「自分達の野球ができなかった」というのは自分達の野球をさせてもらえなかったのではなく、普段ならできていなければいけない根本的なことが、できなかったこと。
「ベンチの中での声かけとか」と話してくれた主将。
本当に苦しい時にこそ一番肝心で全員ができることが、先週の京都学園戦と比べると欠けている部分があったと感じている。
「この間の試合を勝って、(さらに)多くの人に応援していただいたのに、こんな試合をしてしまって申し訳ないです」と主将は唇を噛みしめた。
ベンチ前で集まる北桑田ナイン(鳥羽)
全員が同じ方を向くことが、試合で悔いを残さないための絶対条件だ。
“エースが打たれた”
“大量点差をつけられて苦しい”
そんな時、
『それだったら、1点ずつ返していこうや!』
『まず、9回までしっかりやろう!』
と全員が掛け声だけでなく、自然にそういう雰囲気作りをできれば、同じような形で終わったとしても、『自分達の野球をやりきった』と言えるだろう。
夏の大会開幕(京都は7月7日予定)まで2カ月を切った。その夏の大会では、無敗で終わるチームはたった一つ、全国優勝校しかない。トーナメントである以上、それ以外は必ず<敗北>というのを経験する。
でも甲子園準優勝校であろうと、地方大会1回戦であろうと1度しか負けない。2敗はないのだ。
高校野球を終わった後、『あの試合、俺たちの野球はやりきれたよな…』と明るく振り返るには、<喜怒哀楽>の<哀>の雰囲気を試合中に作らないことが肝心である。
この日敗れた北桑田だが、幸いベスト4進出の特権として、三位決定戦でもう一試合公式戦ができる。そこでもう一回この日の教訓を胸に戦ってほしい。
スターティングメンバー
【京都鳥羽】
3枝勇樹、9伊坂朋寛、5松宮亮貴、7五味拓真、8花田圭佑、6荒居宏治、2北川瑠輝也、4神崎友輝、1山口瑞喜
【北桑田】
8田中遼、2中島海、6一瀬康平、9清水愼也、1畠麻輝、7小東司、5武田崚平、4梅津泰伸、3中林昂平