観音寺一vs志度
収穫と課題が、あい半ばの夏初戦
春季県大会では3回戦で秋準優勝の藤井学園寒川を下し、準々決勝でも丸亀に0対1と惜敗した観音寺第一。
エースで主将の土井悠真(3年)は130キロ台後半をマークする重いボールとチェンジアップを駆使し打撃でも5番と主軸を張る今大会注目選手。
また、バッテリーを組む山地勇吾(3年)も好調時には二塁送球2秒を切る強肩。その他、上位から下位までの打線のバランスのよさや、土井悠真が土井由喜監督の次男である話題性もあいまって、この夏は優勝候補という声もある。
かくして迎えた観音寺一の夏初戦。
序盤から中盤は問題なかった。2回表・二死満塁から1番白川航平(2年)のタイムリーを皮切りに5回までに計6得点。普段から練習の大半を割いている攻撃面、特に昨年から積極的に取り組んだヒット&ランを多用した積極性は、多少の判断ミスはあったものの志度に脅威を与えていた。
だが終盤の8回に、7月に入ってからは持病の腰痛で調子を崩していたというエースの土井悠真(3年)が、「ピッチングマシンを140キロに合わせて対策を練っていた」(石丸達也監督)という志度打線に集中打を浴び4失点。
「1つ間違ったら負けているゲーム」
土井由喜監督がこう評したように、観音寺第一にとっては収穫課題あい半ばの初戦突破であった。
一方、敗れた志度ではスタメンを張った2年生が輝いていた。
1人は最速136キロをマークし9回を完投した吉野真史。2人目は2回にはライトから2点目を防ぐレーザービームを披露し、その裏にヒットで出塁するや二盗・三盗を続けざまに決め、同点機を演出した猪塚智宏。
石丸監督の新チーム構想ではバッテリーを組む予定の2人が今後、どのような成長を見せるかも楽しみである。
(文=寺下友徳)