作新学院vs宇都宮工
春の雪辱
決勝カードは今年の春季大会の決勝戦と同じ作新学院対宇都宮工業。宇都宮工は昭和61年以来、優勝から遠ざかっている。昨夏の覇者・作新学院か、今春の覇者・宇都宮工業か。栃木県65チームの頂点を懸けた試合が始まった。
先発は作新学院・筒井茂(3年)、宇都宮工・尾島孝秋(3年)と背番号「10」をつけた投手の登板。
作新学院は2回表に山下勇斗(2年)の中前打で出塁すると、続く高嶋翔馬(3年)が送りバントで一死二塁とする。その後、捕手の悪送球で山下が三塁へ進み、作新が得点圏へとランナーを進める。しかしその後のバッターが続かず、作新学院はチャンスをいかすことが出来なかった。
続く3回表、尾島が鶴田剛也(3年)に四球を与えたところで宇都宮工は、投手をエース・星にスイッチ。しかし、星の制球が定まらず、篠原優太(3年)がレフト前ヒットで出塁。直後、牽制球がそれるエラーで進塁し、再び作新学院が得点圏にランナーを進める。
続く吉田紘大(3年)に死球を与え、二死満塁と宇都宮工はピンチを迎える。しかし、星は緩急つけたピッチングで後続を抑え、ピンチをしのいだ。
試合の流れを掴みたい宇都宮工は5回裏、小磯周平(2年)が三塁打を放ち勢いをつける。この試合、初めて宇都宮工が得点圏へランナーを進めると、続く篠原悠人(3年)のセンター前ヒットで小磯が生還、作新学院から1点を先制した。
しかし直後の6回表、「打」の作新学院が反撃に出る。吉田、山下がセンター前ヒットで一、二塁と出塁、続く高嶋が送りバントで一死二、三塁とする。ここで代打で登板した羽石裕紀(3年)がショートの頭上を越える三塁打を放ち、その間に2点を返し、宇都宮工を逆転した。7回表にも吉田が左方向へ大きく抜ける3三塁打を放ち、死球で出塁していた鶴田を生還させ、3対1と「つなぐ野球」で宇都宮工に差を付ける。
何とか追加点を入れたい宇都宮工だったが、筒井と6回に登板した水沼和希(3年)を攻略することが出来ない。
そのまま試合は動かず、ゲームセット。作新学院が「投」「打」ともに選手層の幅を見せつけ、2年連続の甲子園への切符を掴んだ。
(文=編集部)