Interview

ミズノ株式会社 グローバルフットウエアプロダクト本部 伊藤幸司さん 鷲見将成さん

2013.03.25

ミズノ株式会社 グローバルフットウエアプロダクト本部 伊藤幸司さん 鷲見将成さん2013年02月25日

 2013年4月5日にミズノから発売される30グラム軽量化した野球用スパイク「<グローバルエリート>GEハイスト」。軽量性を徹底的に追求したスパイクは、市場動向を背景に約1年かけて開発。今回は、開発秘話をお伺いしました。

取材にご協力いただいた方
ミズノ株式会社
グローバルフットウエアプロダクト本部 開発生産部 製品開発課 伊藤幸司さん
グローバルフットウエアプロダクト本部 企画デザイン部 コンペティションスポーツ企画課 鷲見将成さん

常識を超える軽さ

――今回GEハイストが誕生するまでに、プレーヤーたちからは、どのような要望が
あり、新たなスパイクを開発していったのですか?

 これまで、選手たちと話す中で、昨年はフィット感、そして今年は軽さを求める声がありました。そのため今回私達はミズノのスパイクの材料、構造すべてを見直しました。昨年、より最近の日本人の足にフィットする形状に変更しましたので、その形を基本に、今回は何よりも軽さを重視し、必要な耐久性を保った上で、ギリギリまで軽さを求めていくというコンセプトで開発しました。

ミズノ株式会社 鷲見将成さん さん

――実際に出来上がったGEハイストを履いた選手たちからは、どんな感想をいただきましたか?

 新型のスパイクを選手に履いていただいたところ、『驚くほど軽い』という声を頂きました。だいぶ好評を頂いていますので、少しずつではありますが、選手が要望するスパイクに近づくことができているのかなと思います。

――軽さを追求するのは、難しかったのではないでしょうか?

 そうですね。軽くしようと思えば、いくらでもできるんですけど、ただ耐久性に問題がありますので、それを踏まえた上で、耐久性と軽さを兼ね備えたモノを開発していきました。余計な肉を落として、必要な耐久性を残し、極限まで軽さを追求して出来上がったのがGEハイストです。

――実際に、どれほど軽くなったのでしょうか?

 26.5センチのスパイクですと240グラム。多少のばらつきはありますが、金具のスパイクではミズノが市販するスパイクのなかで一番軽いものになっています。

このページのトップへ

[page_break:パフォーマンスを伸ばすスパイクを開発したかった]

パフォーマンスを伸ばすスパイクを開発したかった

[pc]

[/pc]

――それほど軽いスパイクであれば、選手たちもその違いをすぐに感じますね。

 今まで感じていたスパイクの重さは、全く感じないという声が多かったですね。『何も履いていないような感じがする』という意見も頂けまして、そういう声をいただくと嬉しいですね。

――ここまでの軽量化を実現できたスパイクの開発チームは、この一年間、どんな思いで製作にあたってきたのでしょうか?

 いまは、軽量のスパイクが多く市場にも出ていますが、ミズノとしては長い歴史で培ったノウハウを生かして、機能性の部分も大事にしつつ、軽さも求める。パフォーマンスを伸ばせるスパイクを開発したいという思いを常に持ちながら製作を続けてきました。

ミズノ株式会社 伊藤幸司さん

――この4月からいよいよ発売されるということで、このスパイクを履いたプレーヤーにはどんな活躍をみせてほしいですか?

 少しでも速く走りたい、より良いパフォーマンスをしたいという選手が、このスパイクを履いてくれると思うので、試合では本当はアウトだったけど、これを履いたことでセーフになったとか、少しでも速く走れたという、そういった実際の体験の声を聞くことができれば、開発者としてこれ以上、嬉しいことはありません。

――開発チームの皆様は、よりよい商品を作り上げていくなかで、日頃から工夫されていることはありますでしょうか?

 ミズノは野球だけではなく、様々な種目の商品も開発しています。他の種目からヒントを得て、野球に応用するということも心掛けております。今回のスパイクの軽量化に関しては陸上のスパイク等も参考にしました。
また、スポーツ店の方や、選手の声など、現場に足を運んで、新商品を開発するヒントになるものを常に探しています。今あるものではなく、市場にないものを作り出したい。

すべては、野球を楽しんでいる方に、もっと楽しんでもらうために。そのためには、パフォーマンスが上がらないと楽しくないと思いますし、そのパフォーマンス向上をサポートできるスパイクを私たちは、世の中に出していきたいと思っています。

片足約240グラム(26.5cm)を実現させたミズノのスパイク開発チームがこだわりぬいたGEハイストは、2013年4月5日から発売となります。開発者たちの熱い思いがつまった一足です。伊藤幸司さん、鷲見将成さん、ありがとうございました。

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.05

春連覇した加藤学園は悲観達成を狙う! 静岡、日大三島、藤枝明誠、プロ注右腕・小船を擁する知徳らが行く手を阻む!?【2024夏・静岡大会展望】

2024.07.05

静岡大会ではノーシード勢が初戦、常葉大菊川、聖隷クリストファーが開幕6日に登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

大阪大会は京セラドーム大阪で6日に開幕、大阪桐蔭は14日、履正社は14日に初戦【2024夏の甲子園】

2024.07.05

三重大会が6日開幕、昨夏代表のいなべ総合が初日に登場【2024夏の甲子園】

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.06.30

【夏の甲子園・四国地区好カード一覧】いきなりビッグ右腕対決!?徳島では阿南光と生光学園が2回戦で対戦か!?

2024.06.30

北照が9年連続48回目の南北海道大会に進出【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!