東邦vs享栄
東邦・溝口君
東邦夏の雪辱、倍返し以上の5回コールドゲーム
先週の台風18号の影響で、予定していた[stadium]豊橋市民球場[/stadium]が使用不可能となり、急遽日程が[stadium]小牧市民球場[/stadium]の第3試合に組み込まれた試合だった。
森淳二愛知県高野連理事長は、「まさか[stadium]豊橋球場[/stadium]があんなこと(台風でポールが折れる事故)になるとは思いませんでしたから、日程調整にバタバタして大変でしたよ」と、日程調整に追われた舞台裏を明かした。
もっとも、ともに名古屋市内に学校があり、グラウンドもしない近郊にある両校。むしろ、豊橋よりは小牧の方がありがたいというのは本音であろう。
戦前の中等野球時代から実績のある名門同士の対決となった試合だが、実はこの夏も対戦している。夏は圧倒的な優勝候補と言われていた東邦が、ベテラン柴垣旭延監督が復帰した享栄に足元をすくわれる形で敗退した。
それから2カ月、再びまみえた両校だったが、東邦が活発に打線も爆発して14安打で11点を奪って、5回コールドゲームという予想外の形で圧倒した。
東邦はまず2回、2死二三塁から9番大井君の中前打で2者を帰す。さらに、鈴木大君も左前打でつなぐと、2番松原君が左翼へ二塁打してさらに2点を追加した。3回にも、7番溝口君の右線2点二塁打など4安打で3点を追加。そして、4回には4番宮澤君、溝口君がそれぞれ2ランを放ちさらに4点を追加した。
先発した大井君(東邦)
先発した大井君は、大量リードもあって走者は出しても、落ち着いて投げていた。5イニングをしっかりと0に抑えた。ストレートは137~8キロくらいは出るというが、カーブとタテヨコのスライダーにツーシーム系と球種が豊富だ。ただ、決め球がないのが難点だというが、クレバーな峰君のリードもあって、持ち味は十分に引き出されていた。
森田泰弘監督も、「新チームがスタートした時には、どうなることかと思ったのですが、センターラインには夏にベンチに入っていた選手が残っていて、彼らが引っ張っていってくれて何とかなっていきました。たまたま、今日はこれだけ打てましたけれども、このチームは守っていくチームですから、守りで崩れていかなかったというとこが大きかったと思います」と、高い能力の選手が多くいた旧チームとは違うチームであるということを強調していた。
チームとしては、試合を経験していきながら、一つひとつ上を目指していきたいというニュアンスだった。
予想外の大敗となってしまった享栄は、7点差だった4回に福岡君、犬飼君と中軸が連続安打するなどで満塁の好機を作ったのだが、あと一本が出ず、大井君を攻略しきれなかった。
(文=手束仁)