試合レポート

今治西vs高知追手前

2013.10.20

今治西vs高知追手前 | 高校野球ドットコム

4回裏今治西一死一・三塁から8番・藤原睦来左翼手(1年)が大会第1号3ランを放つ

引き締めとリラックス使い分けた今治西、記録的大勝で2回戦へ!

1948(昭和23)年に第1回大会がスタートした秋季四国大会初出場。
1947年の初出場以来、67年ぶり選抜大会出場への入口に立った高知追手前関係者の淡い期待は、今治西の猛攻に根こそぎ吹き飛ばされた。

初回に一死二塁から3番・越智樹捕手(2年・右投右打・174センチ70キロ・今治西中出身)が相手先発・福井陽志(2年)の外角高めを合わせる技ありの二塁打で先制すると、10四死球を絡め22得点全てに打点が付く毎回の17安打。

右肩痛のため現在はスーパーサブに甘んじているが、大三島中時代は陸上100mで11秒82のベスト記録を残すなど、抜群の身体能力を誇る藤原睦来左翼手(1年・182センチ78キロ)の[stadium]坊ちゃんスタジアム[/stadium]左翼席中段まで飛ばす3ランですら色あせるほどの「21点差」は、2003(平成15)年・第56回大会2回戦における済美(愛媛)23対4徳島商(徳島)の『19点差』を越える秋季四国大会新記録。加えて3回裏に記録した1イニング11得点も、1985(昭和60)年・第38回大会1回戦の8回に徳島池田(徳島)が丸亀商(香川・現:丸亀城西)相手に記録した『10得点』を超える秋季四国大会新記録である。

ただ、振り返ればこの点差は必然だったといえよう。試合開始2時間半前の6時過ぎには[stadium]坊ちゃんスタジアム[/stadium]に到着し、「9人にこだわらず全員で闘う」(大野康哉監督)準備を整えつつ、力を出し切るリラックスにも余念がなかった今治西

一方、「元気が足りなかった」とチーム唯一の安打を放った1番主将・野川竣平遊撃手(2年)も認める過緊張状態にあった高知追手前。加えて「3回で3失点」と互角に戦うためのゲームプランを立てていた谷村孝二監督の必須条件であったエース格・筒井裕也(2年)への3投手継投も失敗した彼らは、なす術なく今治西の打棒にさらされることになってしまったのである。

それでも試合後、今治西・大野監督は3回表・野川の安打を適時打とされた先発左腕・神野靖大(2年)の安易な配球に「県大会と同じ失敗をした」ふんまんやるかたない表情。そこには「今日と明日で1試合。2つ勝って1勝」と再び引き締めを図る指揮官の姿があった。

(文=寺下友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.05

大阪大会は京セラドーム大阪で6日に開幕、大阪桐蔭は14日、履正社は14日に初戦【2024夏の甲子園】

2024.07.05

6日兵庫大会が開幕!春夏8度甲子園出場の神港学園が登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

愛知大会は6日に1、2回戦!昨秋4強、21世紀枠推薦校の小牧南がリベンジの夏へ【2024夏の甲子園】

2024.07.04

「学校と地域に支えられて戦う」県内有数の進学校・磐田南(静岡)、“潔く”戦って最高の夏に【野球部訪問】

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.06.29

北海は道内29連勝なるか、東海大札幌VS札幌日大の強豪対決も、30日に札幌支部で代表決定戦【2024夏の甲子園】

2024.06.29

昨秋3位の豊橋中央が登場、享栄破った実力見せる!30日愛知大会【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!