やわらかい筋肉をつくるために(2)
さて、先月から3回シリーズでお話している「やわらかい筋肉をつくるために」の2回目。今回は、食事について掘り下げてお話します。
たんぱく質の中でも重要な「必須アミノ酸」
アミノ酸スコア100食品例:豆腐
「筋肉をつけるためにはたんぱく質が必要」これは、以前から何度も出てきたことですし、先月も確認をしましたね。
「たんぱく質を多く含む食品」としてたくさんの食品が挙げられますが、その中でも注目したいポイントは「アミノ酸」
アミノ酸は、たんぱく質を構成する最小単位です。20種類あるアミノ酸の中には、体内で合成することができない(もしくは、体内で合成するのに時間がかかる)アミノ酸が9種類ありこれを必須アミノ酸と呼んでいます。体内で合成できないわけですから、必ず食品から摂取しなければなりません。必須アミノ酸を豊富に含んでいるもの100とし数値化されていて(アミノ酸スコア)スコアが100に近いほど良質のたんぱく質とされています。できれば、アミノ酸スコアが高いたんぱく質を摂りたいですね。
<アミノ酸スコア100の食品の例>
豆腐 納豆 あじ いわし かつお 鮭 まぐろ しじみ
牛肉(サーロイン・ロース) 豚肉(ロース) 鶏肉 鶏卵 牛乳 チーズ ヨーグルト
たくさんの食品が挙げられますが、ほとんどが肉類・魚介類・乳製品・大豆製品。上手に取り入れていきたいですね。ただし、たんぱく質を多く含む食品には脂質が多く含まれるものもありますから、部位ももちろんですが調理法にも気をつけましょう。
[page_break:他に必要な栄養素は何だろう]他に必要な栄養素は何だろう
ナイアシンが豊富な鯖(さば)
では…筋肉をつけるため、とりわけ「やわらかい」筋肉をつけるためには他に必要でしょうか。今回は2つの栄養素を紹介します。
○ナイアシン
ナイアシンは、たんぱく質の代謝に関わる栄養素です。組織をつくることはもちろん、神経の働きの手助けもしています。
ナイアシンを多く含む食品としては、カツオやサバなどの魚類、鶏ささみやレバーなどが挙げられます。鰹節やしいたけにも多く含まれます。
熱や光、酸には強い栄養素ですが、熱湯には溶けやすいため調理の際はスープなど汁ごと食べられるようなものがいいでしょう。
○ビタミンB6
ビタミンB6も、たんぱく質やアミノ酸の代謝に関わる栄養素です。
多く含む食品としては、穀物類、種実類や、レバー、赤身の魚が挙げられます。
穀物類に多く含まれるため、ご飯(米)をしっかり食べていれば摂取しやすい栄養素でしょう。
いかがでしょうか。
単にたんぱく質、単にアミノ酸と言っても注目すべき点がたくさんあります。色々な食品を組み合わせることによって、上手に摂取して体づくりを行いたいですね。
来月は、筋肉づくりの食習慣とあわせて生活習慣についてもお話しします。
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