Column

元祖プロコーチが教える育てる技術 ジョン・ウッデン、スティーブ・ジェイミソン著

2014.02.10

読書のすすめ


■ Amazon.co.jpで購入する


■ 楽天ブックスで購入する


■ セブンネットショッピング

書評

元祖プロコーチが教える育てる技術

 
米国大学バスケット史上最高のコーチといわれるジョン・ウッデン氏の著書。人を育てること、チームを育てること、そして長年かけて築き上げた「成功のピラミッド」について、彼の哲学・信念が語られています。これはバスケットボールというスポーツのみならず、野球をはじめとするあらゆるスポーツに共通することが多くあるのではないかと思います。

一番驚いたのは、冒頭に紹介されているウッデンコーチの「成果ではなくプロセスに集中する」という話。私たちはどうしても目に見える結果にとらわれがちですが、それよりもそこに至るまでの過程が大切だということ。

『(ウッデンコーチは)チームに対して「勝つ」という言葉を一度も使わなかったことだ。「相手チームを打ち負かせ」とか「勝利を収めろ」という指導をまったくしなかったのである。(中略)試合の日が迫っても対戦チームの名前を教えなかったという」(P9より引用)

勝つことがすべてではないとわかっていても、「勝つ」という言葉を使わずに勝つなんて、どんなマジックを使ったんだ!?とビックリ。そしてそのマジックは本文の中でさまざまな考え方、言葉となってあらわれます。

「なれる最高の自分になるために質の高い努力をしていたかどうか」

そして自分が最善の努力をしたかどうかを知っているのは、この地球上にひとりしかいない(P82)のです。

スポーツをする上で大切なこと、考え方、行動することなど、直接ウッデンコーチから指導を受けることはできなくても、こうして書籍として後世に伝えてもらえることは本当にラッキーですよね。「成功のピラミッド」については14年もの歳月をかけてようやくたどりついたものだと本の中で述べられています。ウッデンコーチの言葉一つ一つに背筋がピンと伸びる思いのする一冊です。

(書評:西村典子)

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.07.07

西東京大会が開幕!拓大一がコールド発進、都立東村山西が66得点の圧勝【2024夏の甲子園】

2024.07.07

立命館宇治が「完封リレー」で京都夏連覇へ好発進【2024夏の甲子園】

2024.07.07

【夏の逸材123人成績速報】超進学校に現れた二刀流の夏が終わる…。県岐阜商の149キロ右腕は4回1失点の力投

2024.07.08

三重では甲子園通算13回出場・海星がコールド発進、秋3位・神村学園伊賀は接戦を制す【2024夏の甲子園】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.07

西東京大会が開幕!拓大一がコールド発進、都立東村山西が66得点の圧勝【2024夏の甲子園】

2024.07.07

立命館宇治が「完封リレー」で京都夏連覇へ好発進【2024夏の甲子園】

2024.07.07

【夏の逸材123人成績速報】超進学校に現れた二刀流の夏が終わる…。県岐阜商の149キロ右腕は4回1失点の力投

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】