成立学園vs都立科学技術
木寺凌世が2試合連続完封で、成立学園が本大会出場!!
完成度の高い投球を見せた木寺(成立学園)
長谷川 潤(現・石川ミリオンスターズ)、谷岡 竜平(現・東芝)など好投手育成に定評がある成立学園。今年も大学・社会人で続けていける技量の高い投手が現れた。その名は木寺 凌世。
身長があって、140キロ台の速球が投げられるような先輩と違い、木寺は165センチと小柄な左腕。ただ技術的に完成されており、大学・社会人でも活躍が期待できると思わせる投球を披露した。
「いや今日は全然切れていないですよ。初戦の都立国立戦の時の方が切れていました」
と振り返るが、左オーバーから投げ込む速球のスピード、キレの良さというのはここまで見てきた左腕投手でも別格である。ストレートは130キロ前後で、最速ならば130キロ前半は出ていそう。そのストレートを右左問わずに内角へ強く投げること意識しており、内を強く意識させて、右打者には外のチェンジアップ、カーブ、左打者には外のスライダーを投げて三振を奪っていた。チェンジアップは中学時代から投げ込んでいたが、高校生になってからより磨きをかけて決め球となった。投球においては全く隙が無いといってもよい投手だった。
昨秋、都立武蔵丘に敗れ、本大会出場を逃した成立学園。木寺は9回までクオリティの高い投球を維持できるようにスタミナ面の強化を努めてきた。この試合は5回までだったが、春季大会一次予選2回戦の都立国立戦では投手にとってリードを守るのが難しいと言われる1対0の試合展開で精度の高い投球を持続し、完封勝利。今日も都立科学技術打線を5回無失点に抑えた。
打線は初回から2得点を奪い、小刻みに点を追加し、最後はコールド勝ちを決めた。2012年夏の甲子園で遊撃手として出場した岩成 亮祐が1番センターとして出場。岩成を中心に足の速い左打者が揃い、機動力で勝負をしていくチームになっていきそうだ。
(文=河嶋 宗一)