試合レポート

東海大望洋vs習志野

2014.04.30

東海大望洋vs習志野 | 高校野球ドットコム 

豪快な本塁打を放った石田(習志野)

東海大望洋が投打で圧倒し、ベスト8進出!

 東海大望洋習志野
昨夏準決勝以来のカードである。その時は6対0で習志野が勝利しており、東海大望洋の選手たちは先輩の借りを返すつもりでこの試合を臨だ。

 試合は序盤から東海大望洋ペースで動く。一死二塁から8番彦坂の左前適時打で1点を先制。さらに3回表には無死満塁から5番中古 珠輝也(3年)が中前適時打を放ち、一死満塁となって、7番峯尾 京吾(1年)の適時打で3対0とする。さらに4回表には二死一、三塁から5番中古が右前適時打を放ち、4対0とすると、 6回表には二死一、二瑠から6番石保の適時打、さらに7番峯尾が今日2本目となる適時打を放ち、6対0と突き放す。

 東海大望洋の先発・原田 泰成(2年)。千葉日大一戦では最速143キロを計測したが、今回は長いイニングを投げることもあり、リリーフのような全力投球ではなく、常時135キロ前後(最速137キロ)の直球、スライダーを内外角に散らせながら習志野打線に対し、ランナーを背負いながらも粘り強く、無失点に抑えていた。

しかし習志野もこのままでは終わらない。底力を見せたのは7回裏だった。まずは5番野中 翔(3年)が甘く入った変化球を逃さず本塁打、さらに6番石田 晃太郎(2年)が内角に入る直球にドンピシャのタイミングで捉え、ライトスタンドへ二者連続ホームランで6対2と4点差に迫る。石田は2打席続けて痛烈なライナーを放っており、原田に一番対応している打者。速球に強く、ツボにはまったときの飛距離の長さ、打球の角度の高さはスラッガーと形容するのに文句なしの本塁打だった。体格も良く、楽しみな2年生打者である。


東海大望洋vs習志野 | 高校野球ドットコム 

9回に追加点となる本塁打を放った鈴木将(東海大望洋)

 4点差に追い上げられた東海大望洋。ここまで力投を見せる原田を1点でも多く援護したい。そして迎えた9回表、1番鈴木 将平(3年)が直球を振り抜き、特大の本塁打を放ち、7対2と追加点を入れその差を5点と広げる。その裏、原田は習志野打線を抑え、2失点完投勝利で、昨年の雪辱を果たした

 東海大望洋は4安打を打った5番中古、3安打1本塁打の鈴木の活躍が光った。中古は東海大望洋の選手のなかでも最もバットコントロールが優れ、右、左に打ち分ける巧さがある。鈴木は1番打者ではあるが、長打力がウリのプレーヤー。この試合では左中間を破る二塁打、左安打、そして9回は内角低めに入る直球を救い上げての特大弾。鈴木のスイング軌道はやや弧を描くような軌道なので、低めに入るボールにはツボを持っており、9回の本塁打はまさにドンピシャだった。

 これでベスト8入りした東海大望洋は、次戦では松戸国際と対戦。松戸国際は千葉敬愛に、11対10の乱打戦を制したチーム。激しい戦いが予想されそうだ。

(文=河嶋宗一)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.04

「速さが怖かった」 センバツ4強から学んだ走塁で市立柏が千葉の上位を狙う

2024.07.03

2度目の3連覇を目指す九州国際大付をはじめ、シードの久留米商、真颯館、沖学園も初戦に挑む、4日の福岡大会【2024夏の甲子園】

2024.07.04

5日に北北海道大会の抽選会!クラーク記念国際と別海が軸、接戦を勝ち抜いたチームにも勢い

2024.07.04

福岡の公立校に現れた潜在能力バツグンの2年生投手・木村光士郎(田川)がベールを脱ぐ!

2024.07.04

「学校と地域に支えられて戦う」県内有数の進学校・磐田南(静岡)、“潔く”戦って最高の夏に【野球部訪問】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

スコアラーが8ヵ月後エースに急成長! オリドラ2ルーキーを輩出した聖カタリナ学園(愛媛)に今年も190cm大型投手が現れる!

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!