東海大望洋vs習志野
豪快な本塁打を放った石田(習志野)
東海大望洋が投打で圧倒し、ベスト8進出!
東海大望洋対習志野。
昨夏準決勝以来のカードである。その時は6対0で習志野が勝利しており、東海大望洋の選手たちは先輩の借りを返すつもりでこの試合を臨だ。
試合は序盤から東海大望洋ペースで動く。一死二塁から8番彦坂の左前適時打で1点を先制。さらに3回表には無死満塁から5番中古 珠輝也(3年)が中前適時打を放ち、一死満塁となって、7番峯尾 京吾(1年)の適時打で3対0とする。さらに4回表には二死一、三塁から5番中古が右前適時打を放ち、4対0とすると、 6回表には二死一、二瑠から6番石保の適時打、さらに7番峯尾が今日2本目となる適時打を放ち、6対0と突き放す。
東海大望洋の先発・原田 泰成(2年)。千葉日大一戦では最速143キロを計測したが、今回は長いイニングを投げることもあり、リリーフのような全力投球ではなく、常時135キロ前後(最速137キロ)の直球、スライダーを内外角に散らせながら習志野打線に対し、ランナーを背負いながらも粘り強く、無失点に抑えていた。
しかし習志野もこのままでは終わらない。底力を見せたのは7回裏だった。まずは5番野中 翔(3年)が甘く入った変化球を逃さず本塁打、さらに6番石田 晃太郎(2年)が内角に入る直球にドンピシャのタイミングで捉え、ライトスタンドへ二者連続ホームランで6対2と4点差に迫る。石田は2打席続けて痛烈なライナーを放っており、原田に一番対応している打者。速球に強く、ツボにはまったときの飛距離の長さ、打球の角度の高さはスラッガーと形容するのに文句なしの本塁打だった。体格も良く、楽しみな2年生打者である。
9回に追加点となる本塁打を放った鈴木将(東海大望洋)
4点差に追い上げられた東海大望洋。ここまで力投を見せる原田を1点でも多く援護したい。そして迎えた9回表、1番鈴木 将平(3年)が直球を振り抜き、特大の本塁打を放ち、7対2と追加点を入れその差を5点と広げる。その裏、原田は習志野打線を抑え、2失点完投勝利で、昨年の雪辱を果たした
東海大望洋は4安打を打った5番中古、3安打1本塁打の鈴木の活躍が光った。中古は東海大望洋の選手のなかでも最もバットコントロールが優れ、右、左に打ち分ける巧さがある。鈴木は1番打者ではあるが、長打力がウリのプレーヤー。この試合では左中間を破る二塁打、左安打、そして9回は内角低めに入る直球を救い上げての特大弾。鈴木のスイング軌道はやや弧を描くような軌道なので、低めに入るボールにはツボを持っており、9回の本塁打はまさにドンピシャだった。
これでベスト8入りした東海大望洋は、次戦では松戸国際と対戦。松戸国際は千葉敬愛に、11対10の乱打戦を制したチーム。激しい戦いが予想されそうだ。
(文=河嶋宗一)