試合レポート

八戸学院光星vs九州学院

2015.03.21

流れを変えるきっかけはどこ??

 立ち上がりに1点を先制した九州学院。エースの伊勢大夢(3年)は、走者こそ出すものの、2回までを20球で終え、まずまずの出来のように思えた。
 だが、4回に犠牲フライとワイルドピッチで逆転されると、終盤の8回には打者一巡で7点を奪われるビッグイニングを作ってしまい、勝負は決した。

 八戸学院光星に流れを変えるきっかけとなった場面が3回表にある。先頭の8番・澤谷晃祐(3年)の打席だ。マウンドの伊勢は先に2ストライクを取り、澤谷を追い込んだ。しかし狙って打ち取れるだけの決め球が少ないことに目を向けた澤谷はここからファウルで粘った。フルカウントになり、10球目を打ってショートゴロに終わるが、八戸学院光星ベンチに『粘っていけばどこかで必ず甘い球が来る』という自信を与えた。そして続く4回表の攻撃で逆転に成功。澤谷はヒットこそ打てなかったが、チームに流れを呼び込むという意味では大きな働きをしたと言えるだろう。

 その澤谷は試合後にこんな感想を話した。
 「立ち上がりに一、二塁間を破られるタイムリーを打たれたのは、ファーストの自分が判断ミスをしてしまったからなんです」。

 確かにファーストベースに戻るのは少し早かったが、見た目では一、二塁間は広く開いていたので仕方ないように思えた。それを判断ミスと感じた澤谷には何とか攻撃で取り戻そうという思いが生まれたのだろう。

 さて、八戸学院光星のエース・中川優(3年)は、球種の多彩さで九州学院打線に中々的を絞らせなかった。対する伊勢も同じようなコントロールタイプの投手ではあるが、球種は中川が多い。さらにキャッチャーの中原力也(3年)が「悪いなりのピッチングでした。秋のような調子には戻りきっていなかった」とも明かした。本調子ではない上に、球種が少ない伊勢は粘られると苦しいのはやむを得ないように感じる。

 
 

第87回選抜高校野球 特設ページ
2015年度 春季高校野球大会 特設ページ
【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.07

【8日登場の逸材一覧】大分の県立校に現れた148キロ右腕、U-18代表候補の右腕が登場! 

2024.07.07

ノーシード広島商が「逆襲」へ好スタート、尾道商、尾道東も0封ゲーム【2024夏の甲子園】

2024.07.07

帝京長岡、日本文理は快勝発進、東京学館新潟は劇的サヨナラ勝ち、六日町は初戦敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.07

茨城では日立商がサヨナラで初戦突破、連合チームが逆転勝ち【2024夏の甲子園】

2024.07.07

シード校の相手が決定、東海大相模、慶應義塾の相手は?8日の神奈川【2024夏の甲子園】

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.07

【8日登場の逸材一覧】大分の県立校に現れた148キロ右腕、U-18代表候補の右腕が登場! 

2024.07.07

ノーシード広島商が「逆襲」へ好スタート、尾道商、尾道東も0封ゲーム【2024夏の甲子園】

2024.07.07

帝京長岡、日本文理は快勝発進、東京学館新潟は劇的サヨナラ勝ち、六日町は初戦敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.05

春連覇した加藤学園は悲観達成を狙う! 静岡、日大三島、藤枝明誠、プロ注右腕・小船を擁する知徳らが行く手を阻む!?【2024夏・静岡大会展望】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!