都立大森vs都立国際
41点取っても、「低く強い打球」を打つことを継続
ランニングホームランを放った宝田(都立大森)
各チーム、強くなるために、何かをテーマに置いて練習に取り組んでいる。都立大森は自分たちが取り組んでいることをしっかりと発揮した試合となった。
1回表、都立大森の打線が活発。まず1番齋藤は右前安打で出塁すると、盗塁を決め、無死二塁のチャンスを作ると、2番宝田がランニングホームランで1点を先制する。その後も打線はつながり、打者14人の猛攻で、9得点。2回以降も点を積み重ねていく。
この試合で心掛けていたのは右打ちと盗塁だった。外野の間を抜けば、躊躇なく三塁を狙い。また好きさえあれば、盗塁する。これは都立大森のチーム方針である。井上監督は、
「低く強い打球を打つ。これを冬の間にやってきました。外野の間を抜いた、頭を超えたというのはあくまで結果で、選手たちがそれをやってきたことを評価しています」
そして走ること。
「今日はノーサインだったのですが、積極的に走っていましたし、しっかりと走れたことも評価できます」
高いレベル相手に対抗するには低く強い打球を打ってミスを誘う。そして機動力を絡めることで、相手の守備陣に揺さぶりをかけて守備力を奪う。そういう打球を打つことで、都立国際守備陣にプレッシャーを与えていたのだ。
その後、都立大森打線の勢いは止まらず、5イニングで18安打16盗塁41得点を入れ、41対4の大勝となった。次は都立小平との代表決定戦となるが、
「力があるチームですので、全力でぶつかっていきたいと思います」
目の前の点数ではなく、内容。先を見据えて取り組むことが、強豪校へ対抗できるチームへ成長する一歩なのだ。その取り組みができていた都立大森。さらなる高みを目指すために都立小平戦ではどんなものを得ていくのか、注目をしていきたい。
(文=河嶋 宗一)