Column

体づくりの味方にしよう!プロテインの必要性

2015.07.31

 体を大きくするためには「トレーニング(技術練習)」「休養」「栄養」のバランスが大切ということは、選手の皆さんならよく知っていることでしょう。本格的なオフシーズンに入り、「しっかり食べなきゃ!」と思っている人も多いはず。バランスのよい食事はもちろんですが、筋肉の材料となるタンパク質源も多く確保したいところです。

 ところで栄養の話になるといつも尋ねられるのがプロテインのこと。「どれだけ飲んだらいいですか?」「とるタイミングは?」「オススメのプロテインは?」等々。プロテインとはもともとタンパク質を英語表記したものです(Protein)。こういう質問を受けると、私はまず選手に毎日食べている食事について確認してもらうようにしています。

毎日の食事についての確認項目

●朝食、昼食、夕食とバランスのよい食事をとっているかどうか
●三食ともにタンパク質(肉・魚・卵・大豆・乳製品等)を多く含む食材が入っているか
●朝食を欠食していないか

 アスリートにとって一日に必要なタンパク質の量はおよそ体重(㎏)×2(g)と言われています。体重60㎏の選手であれば、一日に120gのタンパク質をとらなければならないのですが、この量を確保するのが意外と難しいのです。肉120g=タンパク質120gではありません。

 輸入牛肉サーロインでは100gあたりタンパク質は17.4gしか含まれていないので、120gを食事から摂ろうとすると、およそ700gものサーロインステーキを毎日食べなければならない計算になります(一食あたり約230gのステーキを毎食)。しかも輸入牛肉サーロインにはタンパク質の他にも脂質が含まれ、その量はなんと100gあたり23.7g。タンパク質よりも脂質を多く摂取してしまうことになります。

毎日こうした食生活だとタンパク質を摂りたいと思っているのに、脂質過多で体脂肪を蓄積してしまいそうです。

[page_break:プロテインを摂取する際のポイントや注意点]

プロテインを摂取する際のポイントや注意点

体づくりの味方にしよう!プロテインの必要性

 こうしたことから食事によるタンパク質摂取では間に合わない部分を補うために、プロテインを飲むことも大切になってきます。特に高校生の皆さんにとっては三食しっかり食事をとっていても、必要量のタンパク質を確保するのは至難の業です。プロテインは食事のように脂質が大量に含まれるということがありませんので、純粋なタンパク質源として確保することが出来るでしょう。

 おすすめの時間帯は成長ホルモンが分泌される時間帯をねらった就寝前やトレーニング後など。あくまで「足りない量を補う」ということを意識して摂るようにしてください。たくさん摂ればたくさん筋肉がつく、というのは間違いです。たくさん摂り過ぎると腎臓や肝臓に負担がかかり、ひどい場合だと血尿が出ることもありますので、あくまでも足りない量を補うということを心がけましょう。

 プロテインは「魔法の粉」ではありませんが、正しい知識をもって摂るようにすると、大きな味方になってくれるはず。トレーニングの成果が目に見えた変化となってあらわれるには数ヶ月かかると言われています。「トレーニング」「栄養」「休養」をバランスよくとって、一回り成長した体づくりを目指してくださいね!

(参考サイト:カロリーSlism)

(文=西村 典子

次回コラム公開は8月15日を予定しております。

以下のコラムもあわせてチェック!
第13回 トレーニングと休養・栄養のバランス
第32回 身体を大きくするために

第37回 筋肉をつけて体重を増やそう
第114回 栄養学セミナー開催!特別コラム(1) 『ポジション別の参考栄養素がある!?』
第115回 栄養学セミナー開催!特別コラム(2) 『夏の大会までに改善しておきたい食生活とは!?』


注目記事
・夏よりも熱い!全国の野球部に迫った人気企画 「僕らの熱い夏2015」
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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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