Column

【山口展望】秋春優勝の早鞆は1967年以来の夏の甲子園を実現できるか?追う各校の強豪たち

2016.06.14

 毎年、全国では個々の力ではなく、試合運びの良さで勝負している山口県。昨年の出場校である下関商は緻密な機動力野球で1勝を挙げるなど、上手さが光った。今年は飛び抜けた学校がなく、拮抗した戦いが繰り広げられそうだ。

秋春優勝の早鞆が一歩リードも 宇部鴻城、高川学園といった実力校の戦いも見逃せない 

藤本 大輔(南陽工)

 今年の山口で一歩リードしているといえるのが早鞆。140キロを超える速球を武器にする原 将輝、リードする内田 吉信も強打の捕手で、2人を中心に勝ち上がってきた。安定感があり、投打で隙がない。夏では1967年以来の夏の甲子園出場を狙える戦力になってきている。中国大会でも準優勝を収め、手応えを掴んだ春となった。

 春準優勝の宇部鴻城は1年からレギュラーだった上田 力也に注目。パワフルさと柔軟性を兼ね備えたスラッガーだ。今年の選抜1勝を挙げ県大会ベスト4に残った南陽工。140キロ台の直球で押す重冨将希は自慢の直球で選抜1勝を挙げたが、変化球の制球力に課題を残した。打線は強肩強打の藤本 大輔が引っ張る。夏へ向けて投打でレベルアップし、二季連続出場を目指したい。

 他では守りの野球で県大会ベスト4まで勝ち上がった山口、2年連続の夏の甲子園出場を狙う下関商は、機動力に加えて、さらにパワーを鍛えるなど、昨年以上のチームを目指している。勝ち上がるにはエース・水永 大祐の成長がカギとなるだろう。

 昨秋準優勝の宇部商は主砲・宮崎 洸太、最速137キロ左腕・野口 崚平、遊撃手・堀川 幸佑が中心。パワフルな野球を展開するチームで、夏へ向けて攻守の安定感を高めていけば再び優勝候補に浮上しそうだ。長打力のある重村 俊昭、盗塁技術の高さがウリの塚岡 大和と好野手を揃えた岩国総合も注目だ。そして春2回戦負けとはいえ、やはり怖いのが高川学園。1年生大会で優勝したことがあるようにチーム力はある。長打力だけではなく、守備力も高い相田 聖人、130キロを超える速球を投げ込み、捕手も兼任する山崎 悠大、昨夏から登板経験のある山野 太一など個々の能力は高いだけに、夏の戦いに注目だ。

 個人では最速135キロ右腕・松前 拓弥岩国商)、最速139キロ右腕の森本 兼生防府)、県内屈指の長打力を持つ東 哲寛(山口県鴻城)も見逃せないだろう。

 組み合わせ抽選は6月18日に行われる。どんな抽選会になるか楽しみだ。

(文・河嶋 宗一


注目記事
2016年度 春季高校野球大会特集

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.05

6日兵庫大会が開幕!春夏8度甲子園出場の神港学園が登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

愛知大会は6日に1、2回戦!昨秋4強、21世紀枠推薦校の小牧南がリベンジの夏へ【2024夏の甲子園】

2024.07.05

大阪大会は京セラドーム大阪で6日に開幕、大阪桐蔭は14日、履正社は14日に初戦【2024夏の甲子園】

2024.07.04

「学校と地域に支えられて戦う」県内有数の進学校・磐田南(静岡)、“潔く”戦って最高の夏に【野球部訪問】

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.06.29

北海は道内29連勝なるか、東海大札幌VS札幌日大の強豪対決も、30日に札幌支部で代表決定戦【2024夏の甲子園】

2024.06.29

激戦区・愛知が開幕!ノーシードから4連覇狙う愛工大名電が17得点の圧勝発進、大府、愛知産大三河も初戦を突破【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!