Column

【U-18 決勝戦展望】投手力の日本か?攻撃の台湾か?いざ激突!

2016.09.04

 8月30日から始まった第11回 BFA U-18アジア選手権決勝戦のカードは、日本vs台湾となった。2011年の第9回AAAアジア選手権から3大会連続の決勝進出を決めている日本は、5年ぶりの優勝を目指す。迎え撃つは地元・台湾。完全アウェーの中、どんな試合を見せていくのか。一次リーグでも対戦した両者は3対0で日本が勝利しているが、決勝戦も激しい試合が期待できそうだ。今回は両者の立場になってこの試合の見所をお伝えしていきたい。

投手陣は総動員で台湾打線を封じるつもりで

今井達也(作新学院)

  日本代表はここまでの5試合で失点は僅かに1点。自慢の投手陣が期待通りの活躍を見せている。決勝戦ではここまで長いイニングを投げていない藤平尚真堀瑞輝早川隆久今井達也島孝明の5人の登板が予想されそう。前回の試合では、今井の140キロ前半の速球にしっかりと食らいついていったのを考えると、速球よりも変化球を上手く使える投手がカギになりそう。そうすると、前回捉えられ気味だった今井はロングで抑えるのは危険で、全力投球ができるショート・リリーフが望ましいだろう。

 先発は、前回の韓国戦で打者1人だけに登板した藤平はストレートの勢いは今井より走っており、さらに空振りを奪えるフォークも使える投手なので、縦変化に弱い台湾打線には大きな武器となりそうだ。また前回の台湾戦の安打の内容を見るとインコースを攻めきれずに真ん中に入ったボールを打ち返されたり、不用意にストレート勝負にいって打たれることがあった。変化球中心で攻めるべきなのか、ストレートで押すべきなのかはリードする九鬼隆平の頭脳にかかっているといえるだろう。

 一方、打線の状態は上向き状態で、本来、チャンスメーカーの方が持ち味を出せる松尾大河が1番としてようやく使うことができるまでになったのが収穫。大舞台に強い林中勇輝やここまで主力打者として活躍している九鬼、静岡 鈴木将平の打撃に注目していきたい。
 そして引き続き、5試合でわずか1失策のバックの守備も落ち着いた守備を見せていきたい。

このページのトップへ

[page_break:台湾は自慢の強打で日本を追い詰めることができるか?]

台湾は自慢の強打で日本を追い詰めることができるか?

陳琥(台湾)

 台湾はスーパーラウンドで韓国、中国に多少の失点を許しながらも力業で逆転していったように、最後まで粘り強い打線がウリ。

 台湾側としては韓国戦、中国戦のような試合展開にしたいところだが、そのためにはまず内外野手の守備がどれだけ安定できるか。そして走塁面でも、判断ミスが多いところがあり、なんとしてでもミスを少なく、接戦に持ち込んでいきたいところ。

 打線は直球に強く、高めは逃さない鋭さで得点できているので、決勝戦でも、その強みをしっかりと発揮したいところだ。
 投手陣は技巧派が多く、コーナーを丹念についた投球を見せていきたいところ。日本打線も、低めに決まったり、上手く緩急をつけられると、凡打
に打ち取られいるように、投手陣が、自分の持ち味を発揮することができれば、ロースコアに持っていけるだろう。また日本は二回り目以降からの対応力は素晴らしく、投手の出来次第では早め早めの継投も大事になりそうだ。

 あとは投打の柱・陳琥が打力で引っ張り、投手としてはどの場面で使うか。陳琥についてはなるべくリードした場面で使いたいので、台湾はまず先取点を取ることが日本を破るカギとなるだろう。

 一次予選で実現した勝負はお互い気持ちが出た白熱とした試合7だった。この試合でも終盤までハラハラするような試合展開を期待したい。

(文=河嶋 宗一


注目記事
【第11回 BFA U-18 アジア選手権特設サイト】

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.04

「学校と地域に支えられて戦う」県内有数の進学校・磐田南(静岡)、“潔く”戦って最高の夏に【野球部訪問】

2024.07.04

「速さが怖かった」 センバツ4強から学んだ走塁で市立柏が千葉の上位を狙う

2024.07.04

5日に北北海道大会の抽選会!クラーク記念国際と別海が軸、接戦を勝ち抜いたチームにも勢い

2024.07.04

5日に新潟大会が開幕!帝京長岡と日本文理の対戦相手が決まる【2024夏の甲子園】

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.06.29

北海は道内29連勝なるか、東海大札幌VS札幌日大の強豪対決も、30日に札幌支部で代表決定戦【2024夏の甲子園】

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.06.29

激戦区・愛知が開幕!ノーシードから4連覇狙う愛工大名電が17得点の圧勝発進、大府、愛知産大三河も初戦を突破【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!