【U-18 決勝戦展望】投手力の日本か?攻撃の台湾か?いざ激突!
8月30日から始まった第11回 BFA U-18アジア選手権決勝戦のカードは、日本vs台湾となった。2011年の第9回AAAアジア選手権から3大会連続の決勝進出を決めている日本は、5年ぶりの優勝を目指す。迎え撃つは地元・台湾。完全アウェーの中、どんな試合を見せていくのか。一次リーグでも対戦した両者は3対0で日本が勝利しているが、決勝戦も激しい試合が期待できそうだ。今回は両者の立場になってこの試合の見所をお伝えしていきたい。
投手陣は総動員で台湾打線を封じるつもりで
今井達也(作新学院)
日本代表はここまでの5試合で失点は僅かに1点。自慢の投手陣が期待通りの活躍を見せている。決勝戦ではここまで長いイニングを投げていない藤平尚真、堀瑞輝、早川隆久、今井達也、島孝明の5人の登板が予想されそう。前回の試合では、今井の140キロ前半の速球にしっかりと食らいついていったのを考えると、速球よりも変化球を上手く使える投手がカギになりそう。そうすると、前回捉えられ気味だった今井はロングで抑えるのは危険で、全力投球ができるショート・リリーフが望ましいだろう。
先発は、前回の韓国戦で打者1人だけに登板した藤平はストレートの勢いは今井より走っており、さらに空振りを奪えるフォークも使える投手なので、縦変化に弱い台湾打線には大きな武器となりそうだ。また前回の台湾戦の安打の内容を見るとインコースを攻めきれずに真ん中に入ったボールを打ち返されたり、不用意にストレート勝負にいって打たれることがあった。変化球中心で攻めるべきなのか、ストレートで押すべきなのかはリードする九鬼隆平の頭脳にかかっているといえるだろう。
一方、打線の状態は上向き状態で、本来、チャンスメーカーの方が持ち味を出せる松尾大河が1番としてようやく使うことができるまでになったのが収穫。大舞台に強い林中勇輝やここまで主力打者として活躍している九鬼、静岡 鈴木将平の打撃に注目していきたい。
そして引き続き、5試合でわずか1失策のバックの守備も落ち着いた守備を見せていきたい。
台湾は自慢の強打で日本を追い詰めることができるか?
陳琥(台湾)
台湾はスーパーラウンドで韓国、中国に多少の失点を許しながらも力業で逆転していったように、最後まで粘り強い打線がウリ。
台湾側としては韓国戦、中国戦のような試合展開にしたいところだが、そのためにはまず内外野手の守備がどれだけ安定できるか。そして走塁面でも、判断ミスが多いところがあり、なんとしてでもミスを少なく、接戦に持ち込んでいきたいところ。
打線は直球に強く、高めは逃さない鋭さで得点できているので、決勝戦でも、その強みをしっかりと発揮したいところだ。
投手陣は技巧派が多く、コーナーを丹念についた投球を見せていきたいところ。日本打線も、低めに決まったり、上手く緩急をつけられると、凡打
に打ち取られいるように、投手陣が、自分の持ち味を発揮することができれば、ロースコアに持っていけるだろう。また日本は二回り目以降からの対応力は素晴らしく、投手の出来次第では早め早めの継投も大事になりそうだ。
あとは投打の柱・陳琥が打力で引っ張り、投手としてはどの場面で使うか。陳琥についてはなるべくリードした場面で使いたいので、台湾はまず先取点を取ることが日本を破るカギとなるだろう。
一次予選で実現した勝負はお互い気持ちが出た白熱とした試合7だった。この試合でも終盤までハラハラするような試合展開を期待したい。
(文=河嶋 宗一)