クロストレーニングを取り入れよう!
クロストレーニングを取り入れよう!
チーム対抗戦はどうしても白熱しがちなのでルールを決めて行うようにしよう
これからオフシーズンに向けて、基礎体力を養うためにさまざまなトレーニングを行うことと思いますが、時には野球とは違ったスポーツ種目を取り入れて行うことを「クロストレーニング」と言います。クロストレーニングのメリットとしては、
・専門種目以外の動作を行うことで筋力バランスを改善する
・同じ動作を繰り返すこと(オーバーユース=使いすぎ)によるケガを予防する
・オフシーズン時のフィットネスレベルの維持向上させる
・心理的な休息、気分転換、リフレッシュ効果
といったことが挙げられます。たとえば全身持久力を向上させる目的でロング走を行うとき、これをサッカーに置き換えると意外と長い時間走り続けることが出来たり、水泳に置き換えると短い距離でも心肺機能を向上させることが期待できたりといったことになります。このほかに取り組みやすいスポーツとしては、バドミントンやテニスなどのスイング動作を伴う競技なども適しています。
野球の動作を繰り返すことで専門的な動作は向上しますが、筋力バランスや神経と筋肉との連動といった動きはどうしても特定の動作に限られがちです。また野球は非対称動作を繰り返すため、一定の部位に過度な負担がかかることでケガをするリスクも高まります。クロストレーニングは普段あまり使っていない部分を動かし刺激をくわえることで、筋力バランスの改善をはかり、運動神経との連動を向上させる効果が期待できます。
ただし野球選手にとってクロストレーニングに向いていない競技もあります。特に激しいぶつかり合いを伴うコンタクトスポーツ(ラグビーやバスケットボールなど)はケガのリスクが高まるため、クロストレーニングには不向きです。サッカーなども足首の捻挫などに十分注意する必要があります。チーム対抗でクロストレーニングを行う場合は時間制限を設ける、激しいぶつかり合いにはペナルティを科すなど独自のルールを設け、ヒートアップしないように配慮して行うようにしましょう。
文:西村 典子
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