体脂肪率は多すぎても少なすぎてもダメ!野球選手にとって適切な体脂肪率は?
野球選手と体脂肪率の関係は?
体脂肪は多すぎても少なすぎてもパフォーマンスに影響する
トレーニングのときにしっかりチェックしたいのが体重と体脂肪です。「野球選手はどのぐらいの体脂肪率がいいですか?」という質問をよく聞きますが、筋肉をつけて体脂肪を減らすということを基本にして考えてみるようにしましょう。
まず筋肉と脂肪(体脂肪)の違いについてですが、筋肉は脂肪よりも体積当たりの比重が重いことがあげられます。同じ体積量であれば筋肉の方が重くなり、当然体重も重くなります。体重が増えるときにその「中身」が筋肉であるか、体脂肪であるかということはとても大切なことで、筋肉量が多くなるとそれだけ力を発揮する能力が高くなりますが、体脂肪量が増えると脂肪は力発揮をしませんので、いわゆる「おもり」が増えてしまって動作が鈍くなってしまう、身体のキレ(敏捷性や瞬発力など)がなくなってしまうということが考えられます。
しかし、体脂肪は「おもり」になるから必要ないというわけではありません。もちろん体脂肪量が多くなりすぎるとプレーにも影響を及ぼしますが、実は少なすぎても身体にとってはよくありません。特に体脂肪は炭水化物と並行してエネルギー源として利用されますし、この他にも体温調節やホルモンの材料として使われたり、物理的なストレスに対するクッション的な役割を果たしたりします。長い時間運動を続けるスタミナは体脂肪によっても左右されるので、あまりにも体脂肪量が少ないとスタミナ切れを早く起こしやすいことが考えられます。
アスリートにとって推奨される体脂肪率は文献、測定法、競技種目によっても変わってきますが、男性で4~13%、女性で12~22%前後を示すものが多いようです。野球選手の場合は10~15%程度のものが多く、ポジション特性としてスタミナをより必要とする投手は12%前後とやや野手よりも高い体脂肪率を推奨していることが多いようです。数値はあくまでも目安ですので、選手の皆さんは日々の習慣として体重や体脂肪率を測定して自分自身の体組成を知り、身体の動きやパフォーマンスをチェックすることで、自分に最も適した体重と体脂肪率を探してみてくださいね。
文:西村 典子
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