福岡大大濠vs滋賀学園
白熱の投手戦、決着は再試合へ持ち越し
福岡大大濠vs滋賀学園
福岡大大濠の先発、三浦銀二(3年)を今大会ナンバーワンと前で紹介した。それから4日が過ぎたがその評価は依然として変わらない。重ねて言うと、投球フォームに悪いところが見当たらず、ストレートはこの日最速145キロを計測し、変化球はスライダー、カーブしかないがともにキレ味が鋭く、抜群のコントロールを誇っている。
捕手は古賀悠斗(3年)がイニング間の二塁送球でこの日、最速1.90秒を計測している。2秒を切ればプロでも上位と言われるので超高校級の強肩と言っていいだろう。内角球を主体にした攻撃的なリードも現代野球にマッチしている。超高校級と言われるバッテリーがいれば優位に立てるのが高校野球だから下馬評が高かったのは当然、福岡大大濠のほうである。
滋賀学園はどうかというと、エースの神村月光(3年)が不調のためマウンドから遠ざかっている。1回戦の東海大市原望洋戦(試合記事)は延長14回の大接戦だったにもかかわらず棚原孝太(3年)が1人で投げ抜いているくらいだ。そしてこの日の先発を任されたのは2年生の宮城滝太。新チームになってから公式戦の登板は1試合、1イニングというまったくの未知数。その宮城が7回3分の1を1失点に抑えてしまうのだから野球はわからない。
投球フォームはスリークォーターで体を少し開き気味にして投げる。ストレートの最速は140キロで、変化球は逆方向のスライダー、カーブ、ツーシームを備え、勝負球にしているのはもっぱらスライダー。鋭い変化で曲がりが大きいというボールで、4三振のうち3つをこのスライダーで奪っている。と言っても一番いいのはストレートで、大して速くないボールが打者のバットを押し込む。
福岡大大濠の苦戦の原因は宮城の力投にあったことはもちろんだが、バントの失敗の多さも無視できない。ノーアウトないしはワンアウトで走者が出ればバントで送るというのが福岡大大濠の基本的な作戦で、9回は1死から8番打者がキャッチャーフライ、12回は無死でやはり8番打者が2つファールにしたあと空振りの三振に倒れている。3回には2番平野孝太朗(3年・右翼手)がバント安打を決めているがそれまでにファールを2つ、3番古賀がセンター前にヒットを放っているが2球目をファールにしている(以上はすべてバントの記録)。
対する滋賀学園も5回裏に8番打者がスリーバント失敗で三振、延長14回には7番打者の投手前へのバントで一塁走者が二塁で封殺されている。両校の投手がよかったことは間違いないが拙攻があったことも否めない。
両校の再試合は2日後の3月28日の第1試合。福岡大大濠は新チームになってから三浦1人しか投げていないので再び登板することは間違いないだろう。滋賀学園はこの日の宮城が7回3分の1、リリーフした棚原が7回3分の2だからともに余力はある。中1日の日程がどっちに有利に働くかだが、実績のある2枚を備えている滋賀学園が有利とみた。
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