筋けいれん・足のつりを予防するには?
適切な水分・ミネラル分補給が筋けいれんの予防につながります。
筋けいれん・足のつりを予防する
これからの時期は汗をよくかくため、水分とともにミネラル分が体外に流れやすくなり、血液中の電解質バランスが乱れて筋けいれんやいわゆる「足のつり」を起こすことがあります。運動すると筋肉は必ず収縮しますが、このときにナトリウム(塩分)、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラル分が必要になります。しかし運動をして汗をかき、脱水状態におちいるとミネラル分や水分不足から筋肉がうまく働かなくなり、筋肉に指令を出す神経が興奮して筋けいれんを起こします。
筋けいれんは、特にふくらはぎの筋肉や太ももの裏側(ハムストリングス)の筋肉、腹筋などによく見られます。「足がつる」という症状は、足の筋肉が不意に細かく収縮・けいれんを起こす状態で、ふくらはぎの場合には腓腹筋(ひふくきん)のことを指して、「こむら返り」と呼ばれることもあります(「こむら」とは腓腹筋のこと)。筋けいれんは激しい運動中や運動後に起こることが多く、疲労がたまっている場合などは安静時や就寝時にも起こります。筋けいれんの原因を挙げてみましょう。
・筋疲労によるもの
・血液中の電解質バランスの乱れによるもの(水分・ミネラル分不足)
・体温(筋温)低下によるもの
・食後などで筋肉への血流が不足している状態 等々
筋けいれんを起こしてしまったとき、足がつってしまったときは、あわてずゆっくりと息を吐きながら足を伸ばしてストレッチを行うようにします。一人で行うことがむずかしい場合は誰かに手伝ってもらってパートナーストレッチを行いましょう。また筋肉を軽くさすったりほぐしたりすることや温めることも効果的です。ケガをした際の多くはRICE処置を行うことが基本ですが、足がつった場合などの一時的な筋けいれん※は局所の血流不足を改善させるために冷やすのではなく温める、固定ではなくより積極的に動かすことで、血流を増やすようにします(※ただし、筋けいれんが長く続くと筋肉の肉離れを起こす場合があります。ストレッチをしたり、温めてほぐしたりしても痛みが変わらない、痛みが増す場合はプレーをやめてRICE処置を行う必要があります)。
筋けいれんの予防としてはまず適切な水分・ミネラル分の補給が挙げられます。試合中などであればスポーツドリンクなどに加えて、梅干しや塩昆布、レモンなどの柑橘類、マグネシウムが豊富なアーモンド、カリウム豊富なバナナ等を準備しておくとよいでしょう。また汗をかき、身体が冷えてくると筋けいれんを起こしやすくなるので、ウォームアップやクールダウンも入念に行うことを心がけましょう。
文:西村 典子
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