体重・体脂肪測定で筋肉量をはかる
体重・体脂肪測定は筋肉量をはかり、トレーニングや食事の目安となる
身体づくりの時期になると特に気になるのが、トレーニングをした成果がきちんと反映されているのかということ。ただやみくもにトレーニングを積み重ねていても、適切な食事量や食事内容が伴わないとアスリートに適した身体にならないこともあります。また普段の技術練習に加えてトレーニング量を増やすことで、体力的な負担が大きくなり思わぬケガをしてしまうことも考えられます。日頃のコンディションを自分自身ではかるよい指標となるのが体重と体脂肪の測定です。何といっても手軽にはかることができ、身体のコンディションを知るうえでさまざまなことを教えてくれます。
できれば毎朝、起床時に同じタイミングで測定することを心がけましょう。朝と夜とでは体重の増減も大きくなり(夜の方が重くなりやすい)、正しい変化を知ることができません。体重とともに体脂肪を測定することで筋肉量を概算することが出来ます。たとえば体重60kgの選手で体脂肪率が12%であれば60×0.12=7.2kgがおおよその体脂肪量であり、体脂肪量を除いた数値である除脂肪体重は60−7.2=52.8kgです。除脂肪体重には骨や内臓など筋肉以外の臓器も含まれますが、これらは小児期に比べて質量の変化が少ないため、除脂肪体重の増加=筋肉量の増加と考えることができます。この除脂肪体重を目安に身体づくりを行うようにしましょう。
先ほどの選手がトレーニングを続けて3ヶ月後に体重が62kg、体脂肪率が13%となった場合は、62×0.13=8.06kgとなり、体脂肪を除いた数値である除脂肪体重は62−8.06=53.94kgです。体脂肪率は上がっていますが、除脂肪体重も増加しており、このケースでは筋肉量が1.14kg、体脂肪量が0.86kg増えたことになります。体脂肪は力を発揮するものではなく、身体にとって「おもり」となってしまいますので、なるべく増やさないようにしながら筋肉量を増やせるように、このケースでは食事面での見直しが必要となってきます。トレーニングによって筋肉量に変化が現れてくるのは2〜3ヶ月後といわれています。トレーニングをした翌日に変化が見られるわけではありませんので、こうしたことも理解し、あせらず続けて行うようにしましょう。
体重や筋肉量の変化を確認出来るのは、普段からの体重・体脂肪率の測定が不可欠です。しかし数値は日によっても上下動があり、食べすぎた翌日は身体が重かったり、疲れてあまり食べられなかった翌日は少し軽い数値となってしまったりしますので、なるべく測定の点を線になるように続けて行い、その推移をチェックできるように心がけてみましょう。
文:西村 典子
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