脂質の重要性ってなんだろう?
前回は、「タンパク質の重要性」について説明をしました。今回は三大栄養素の1つと呼ばれている脂質について解説していきます。
なぜ、脂質が重要なのか?
脂質が重要な理由としては、3つあります。1つ目は、細胞膜の原料になる。体を作っている細胞は全て細胞膜で形作られています。この細胞膜の原料が、リン脂質やコレステロールといった脂質です。この2つが不足すると肌の不調や傷の回復が遅れたりします。2つ目はエネルギー源として蓄えておける。脂質は効率の良いエネルギー源で、1gあたり9kcalのエネルギーを生み出します。血中の糖質が不足した時に使われるのが脂質なので必要になります。試合が長引いたり、先発完投型や長いシーズンを戦う選手は特に必要になりますね。3つ目は、ホルモンや胆汁酸を作る。男性ホルモン、女性ホルモンなどコレステロールがないと作られません。脂質や脂溶性ビタミンの消化吸収には働く胆汁酸もコレステロールを原料として肝臓で作られます。
摂取しすると、血管が傷つく原因や肥満、消化不良の原因になります。適正な量を適正なタイミングで摂取することが大切です。
不足すると、肌の炎症、脂質異常症や動脈硬化、子供なら成長に影響が出ます。必須脂肪酸(DHAなど)は、細胞を正常に作る働きがあるのでの不足すると脳の発育が遅れたりするなど成長に大きく影響します。
脳は、約50パーセントが脂肪からできています。ということは良い油を摂取すると脳に良いのです。
アスリートや子供の成長などに良いと言われているのがオメガ3系脂肪酸。アレルギーの抑制効果や記憶力集中力の向上、怪我や疲労の回復に効果があります。食品なら青魚や亜麻仁油やえごま油を積極的に摂取すると良いでしょう。さらに、効果的な食べ合わせもあります。明太子とオリーブ油は脂質の分解を促してくれます。サバと玉ねぎは、血流を良くしDHAの働きをより効率よくしてくれます。くるみとヨーグルトは、タンパク質の吸収力を上げてくれます。
目安の量としては男性なら1日約75グラム良質な油を摂取してほしいと思います。良質な油を摂取することにより怪我を回避でき集中力が上がることによりパフォーマンスを発揮する要因にもなります。
文=久保 翔平 (カラダツクル株式会社代表取締役)