Column

県立金沢桜丘高等学校(石川)

2018.01.30


集合写真(金沢桜丘)

「がんばっている選手投票」で自分を高める

■金沢桜丘高校はどんな学校??
金沢桜丘は石川県金沢市にある県内有数の進学校。「いしかわニュースーパーハイスクール」(NSH)に指定されており、事業の目標である「高い志を持ち、国際社会をたくましく生き抜く人材の育成」を目指して日々勉学に励んでいる。野球部は石川県の公立高校の中ではトップの実績を誇り、学校、地域、OBからの期待度も高い野球部である。21世紀枠で出場した2006年選抜甲子園大会では応援団が最優秀応援団賞を受賞した。

■金沢桜丘野球部を紹介!
 現在、野球部は1年生19名、2年生29名の計48名で活動している。同校は2015年3月に新校舎に移転。勉強に集中させるため新校舎の廊下はほとんど使えない。そのため既存のウェート場のほかに廊下の隅のスペースに「第2ウェート場」を臨時に作成。さまざまなトレーニング機器を使ってフリーウェイトができるようにしており、冬場はほぼ外に出られないため班に分け細かく場所を振り分けるという工夫を見せている。
チームの特徴は「主軸の打撃・波に乗った時の計り知れない力強さ・組織力」。石川県No.1になることを目標に日々の練習に励んでいる。


■「がんばっている選手投票」とは??
金沢桜丘では「がんばっている選手投票」というものを毎月実施している。マネージャーの岩田 大慶(2年)は「監督の見えない部分での頑張りを選手同士で評価し合い、そのポイントのランキング表を配布しています。それによって自分の立ち位置を知り、今後自分がどのような行動をしていけばよいか考え、生活から改善させます。数値はシビアに出るので、大きな「気づき」のきっかけになっています」という。

■チームの中心選手は?
高平 泰佑(投手・2年)は持っている球種全てを使いこなして相手の様子を観察しながら駆け引きする投球を続け、チームに大きく貢献している。また、山崎 暖(副主将・2年)は野球知識・筋肉知識に富んでおり、それを生かすズバ抜けた元気の良さと会話力を兼ね備えた選手だとチームメイトは話す。非常に個性豊かな金沢桜丘だが、おもしろエピソードもある。
夏休みに校内合宿を実施した際に、1年生投手が井村茂雄監督に夕食中に指導を受けた。井村監督は比喩表現で「おまえは日頃からもっと人の前に立て!」と話したが意味を勘違いして、説教中に移動して監督の前に立ったという。「監督もチームメイトも爆笑でした」と岩田マネージャーは振り返る。


■この冬の意気込み
非常に個性豊かな金沢桜丘。「大前提として、後悔はしたくない、全員でやりきった、早くグランドに出て試したい!と思える冬にしたい」と岩田マネージャーは話した。加えて「技術力と共にチーム力をあげて、春にどのチームよりも良い一歩を踏み出すこと」を力強く誓った。
目標である石川県No.1へ。頂点に向かい、県内有数の公立校の挑戦が始まる。

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[page_break:私学には「考え」で勝負!金沢桜丘の主将・副主将にインタビュー]

私学には「考え」で勝負!金沢桜丘の主将・副主将にインタビュー

ここからは、高井 勇斗選手(主将・2年)と山崎 暖選手(副主将・2年)にお話を伺いました!


高井 勇斗主将(金沢桜丘)

Q.秋の大会や練習試合が終わって見つけた課題を教えてください。

高井:秋の大会では私学に力負けし、自分たちが目指す野球が力勝負ではないということを痛感しました。
一球に対する取り組みやカバーリング、駆け引きで私学を上まらなければ勝つことができないのではと感じました。
山崎:打力はある程度ありますが、バッテリーを中心とした守備力がまだ足りていません。バッテリーがもっとしっかりすることが、試合に勝つ一番の方法だと思ってます。

Q.このオフシーズンの目標、個人的に強化したいことを教えてください。

高井:ただ体を大きく・強くするのではなく、野球の上手さを身につけたい。特に打撃においては、変化球を粘って打てるように取り組みたいです!く

山崎:体を大きくすることはもちろんですが、加えて今年は変化球打ちやバットコントロールを上げるといった技術向上を目指しています!


山崎 暖副主将(金沢桜丘)

Q. 応援する方々へ自分のここを見てほしいというのを教えてください!

高井:どんな球に足してもタイミングを合わせてバットが振れます!どの方向にも長打が打てるので是非見てください!
山崎:勝利に対する貪欲な姿勢です!!

Q.このチームの好きなところは、または他のチームに負けていないところはどんなところですか?

高井:前に出て引っ張っていく選手が多いことです!一人一人が個性豊かなので、まとまった時の爆発力はすごいですよ!
山崎:自分たちだけで練習内容や投手攻略について考えることができます。他チームに比べて、考えて試合することができていると思います!

Q. このオフシーズンで『自分はここまで成長するぞ!』と、いうこの冬の熱い宣言を最後にお願いします!

高井:具体的な目標を持ち、計画性のある練習をしたいと思います。本などもたくさん読んで、いろんなことを吸収したいです。春には石川県で1番の打者になれるよう、一日一日を大切にして頑張ります!
山崎:チャンスに強く、ピンチにも強い選手に成長します!!

高井選手、山崎選手、ありがとうございました!

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[page_break:大きな樹を育てきれいな花を咲かす]

大きな樹を育てきれいな花を咲かす

 井村茂雄監督にお話を伺いました。


試合風景(金沢桜丘)

Q. 今年のチームは、新チームが始まってからどんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。

 昨年の1年生大会県大会日本航空石川に競り負けました。その時、多くの生徒が悔し涙を流したのを見て、1年計画でチームを強くしようと思いチームを作ってきました。テーマは大きく分けて3つ。
・生徒主体で運営できるチーム作り
・野球の駆け引きを学びゲームに生かす
・圧倒的に打ち勝つ

 秋の大会では4試合で40得点と夏休みからの好調を維持しました。3回戦の小松大谷戦は激戦となり、最終回の怒涛の追い上げに苦しんだが、選手たちは最後まで落ち着いて戦い、ここまで学んできた駆け引きや、自分達で考えて動くということを生かすことができた試合でした。
来春以降に目指すチームの方向性としては、今夏甲子園で活躍した彦根東さんのようなチーム。公立の進学校でも必ずやれる。長い冬はどうしても雪などの影響から施設が整う県内私学、県外のチームと実戦感覚の差が開いてしまいがちです。このハンデを克服できるように常に実戦を意識した練習を組み立てていきたいと思っています。どこにも負けない工夫をして力をつけ、春先には県外の強豪に勝利できるようにしたい。全てにおいてNo.1を目指し、冬の練習に取り組んでいきます!


試合風景(金沢桜丘)

Q. 最後に、これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします。

 学年問わず部員の仲が良く、皆が口をそろえて「このチームが大好き」というチームです。とても一体感があり、どんなに苦しい時でも粘って粘って勝利をつかみ取る不思議な力を持つこのチームはとても魅力的です。そんな中で、皆と目標を共有して練習に取り組む毎日は先生も充実して楽しいです。目指すゴールははっきりしています。
金沢桜丘は「大きな樹を育てきれいな花を咲かす」がテーマ。秋の悔しさを春夏に思い切りぶつけ、100回記念大会の夏の甲子園で満開の桜を咲かせよう!!

井村監督、金沢桜丘野球部の皆様、ありがとうございました!


今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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