及川雅貴擁する横浜高校が1回戦敗退 かつては大谷翔平も
3月23日に選抜高校野球大会(以下、春の選抜)が始まった。初日にはプロ注目の奥川恭伸(星稜高校)が強豪・履正社高校相手に圧巻の9回完封、17奪三振を記録。あらためてその存在感を知らしめた。
そして迎えた大会2日目の3月24日。もうひとりのドラフト候補である横浜高校エース左腕・及川雅貴が姿を表した。チームを率いる平田徹監督も大会前に「及川で優勝」と発言するほど信頼されていたエースである。
しかし、明豊高校相手に3回途中5失点(自責4)と試合を作ることができなかった。3回に先頭打者へと四球を出したところから崩れ、立て直すことができなかったのである。この回の途中から右翼の守備にまわる無念の降板となってしまう。
試合終盤に再びマウンドへと登ったものの1.1回で与四球3といまひとつ。チームも5対13で敗戦。優勝候補にも挙げられていた横浜高校が1回戦で姿を消すことになった。
プロ注目の投手でもこの及川のように甲子園で結果を残せないこと多々ある。それは決して珍しいことではない。
大谷翔平も結果を残せず
花巻東時代の大谷翔平
イチローが引退した今、もっとも注目を集める日本人メジャーリーガーと言っても過言ではない大谷翔平(エンゼルス)も甲子園では結果を残すことができなかった。
2012年春の選抜で大谷擁する花巻東高校は初戦で大阪桐蔭高校と対戦する。後に春夏連覇を達成することになる大阪桐蔭高校には、藤浪晋太郎(現・阪神)、森友哉(現・西武)が在籍しており注目校であった。
そんな強豪相手に先発した大谷は、9回途中9失点(自責5)と期待されていた成績を残すことはできなかった。とくに与四球7、与死球4と制球が定まらず三者凡退に抑えたのは1イニングだけ。後のメジャーリーガーも3年春の選抜では好投できなかったのである。
これから横浜高校は今夏の高校野球選手権大会を目指すことになるが、及川はこの敗戦の悔しさを糧に成長することができるだろうか。大谷をはじめ、負けたからこそ強くなる例もたくさんある。
再び聖地へ戻ってくることに期待したい。
(記事=勝田聡)