Interview

名門・銚子商の4番を担う古井敬人!進化のきっかけとなった監督からのアドバイス

2019.07.07

 昨秋の県大会、今春の県大会でベスト4入りし、Aシードで迎える銚子商。澤田洋一監督が「スイングスピードに関しては歴代の打者と比較しても素晴らしいものがあります」と評価するのが、4番の古井敬人だ。今年の準決勝・習志野戦では右中間へ本塁打を放ち、高校通算10本塁打を誇るスラッガーに成長の秘密を伺った。

習志野戦の無安打が成長のきっかけに

名門・銚子商の4番を担う古井敬人!進化のきっかけとなった監督からのアドバイス | 高校野球ドットコム
銚子商の4番を担う古井敬人

 誰よりも思い切りのよいフォロースルーを見せ、さく越えの打球も量産。そしてシートノックに入ればレフトのポジションからダイレクト返球。強肩強打の枕詞が似合う逸材だ。

 

 古井は山武市成東町出身。成東小学校から成東中と、成東っ子で育った古井は中学では投手として活躍を見せた。また、中学の試合で活躍している姿を銚子商の関係者の目に留まり、銚子商進学を決意。

 そして寮に入り、銚子商の野球に打ち込んだ。入学後は同学年の投手の能力の高さを見て、すぐに野手転向を決意。
 自慢のスイングスピードで長打を多く記録し、1年秋にはベンチ入りし、さらには2年夏には5番打者として試合出場し、順調にステップアップしているように見えたが、確実性というところで課題を抱えていた。
「当たれば飛ぶのですが、確実性が乏しく、なかなか思うような結果が伴いませんでした。変化球がなかなか当たらなかったんです」と悩みを打ち明ける古井。

 2年秋は4番に座るも、しかし秋の準決勝の習志野戦で左腕の山内翔太、相手エース・飯塚 脩人に抑え込まれ、無安打に終わる。
「変化球を打てなかったのももちろんですが、狙っていたインコースストレートを手が出ずに打ち取られたのが悔しかったですね」

 そして冬場でも変化球を打つために練習を重ねたが、なかなかうまく行かず、悩んだ。3月、解決の糸口が見つかる。
「間を長くして、ボールを待てば変化球を打てるようになったんです」
そのアドバイスは澤田監督から送られたものだ。

 「足をゆっくりあげて、タイミングをとることを意識するようにしたら、変化球も打てるようになりましたし、インコース、アウトコースを打つ確率が高まりました。澤田監督は理論的で、体のつくりも含めて、説明がわかりやすいので、取り組みやすいです」
 こうして冬からの成長を実感した古井は万全の状態で春の県大会に臨む。

[page_break:春の習志野戦では打てなかったインコースをホームラン!]

春の習志野戦では打てなかったインコースをホームラン!

名門・銚子商の4番を担う古井敬人!進化のきっかけとなった監督からのアドバイス | 高校野球ドットコム
スイングする古井敬人(銚子商)

 春の県大会ではストレート、変化球を打ち返し、安打を重ねる古井。そして準決勝では習志野と対戦。8回裏、右腕の杉山 隆玄から右中間へ本塁打を放つ。これが通算10本塁打目となった。打ったコースは前回の習志野戦で手が出なかったインコースだった。

 「インコースは張っていました。逆風だったんですけど、入るか微妙だったんですけど、芯で捉えることができたので入ったと思います。緊迫とした試合展開でしたので、打ててよかったです」

 そして3位決定戦の木更津総合戦では、最速149キロ右腕の根本太一から右前安打を2本記録。強豪校相手でも持ち味の強打を発揮できるようになった。
「打ったのは、真ん中低めのチェンジアップ、インローのストレートだったんですが、非常に良い感覚で打つことができたと思います」

 春の大会を終えて、気づいたのは自分に対しての攻めは縦系の変化球が多いこと。
「勝ち進むことで気づいたのですが、自分に対してはフォークやチェンジアップを攻めてくることが多くなったです。その見極めや、変化が甘いボールに対してはヒットにできるように練習を重ねています」

 そして夏も近づいてきた。やるべきことは4番打者としての仕事を果たすだけだ。
「自分は4番打者を打たせてもらっていますが、チャンスで1本打つのが自分の役割だと思っています。自分の前に走者がいたら、絶対に打つつもりで臨んでいきたいと思います」
 名門校の4番打者として、メイン球場となるQVCマリンフィールドで多くのアーチを描く。

文=河嶋宗一

名門・銚子商の4番を担う古井敬人!進化のきっかけとなった監督からのアドバイス | 高校野球ドットコム関連記事はこちらから
いずれは憧れの先輩遊撃手に負けない選手へ 指導者が認める野球センスの塊・常世田翔太(銚子商)
令和最初の戦国千葉を制するのは?専大松戸、佐倉ブロックが熾烈!【前編】
千葉を代表する木更津総合、習志野を阻むチームは?どのブロックも熱い!【後編】

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.07

ノーシード広島商が「逆襲」へ好スタート、尾道商、尾道東も0封ゲーム【2024夏の甲子園】

2024.07.07

茨城では日立商がサヨナラで初戦突破、連合チームが逆転勝ち【2024夏の甲子園】

2024.07.07

シード校の相手が決定、東海大相模、慶應義塾の相手は?8日の神奈川【2024夏の甲子園】

2024.07.07

上田西が0封に抑えられて初戦敗退 23年はオリドラ1を擁して甲子園出場【2024夏の甲子園】

2024.07.07

【8日登場の逸材一覧】大分の県立校に現れた148キロ右腕、U-18代表候補の右腕が登場! 

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.07

ノーシード広島商が「逆襲」へ好スタート、尾道商、尾道東も0封ゲーム【2024夏の甲子園】

2024.07.05

春連覇した加藤学園は悲観達成を狙う! 静岡、日大三島、藤枝明誠、プロ注右腕・小船を擁する知徳らが行く手を阻む!?【2024夏・静岡大会展望】

2024.07.07

茨城では日立商がサヨナラで初戦突破、連合チームが逆転勝ち【2024夏の甲子園】

2024.07.05

静岡大会ではノーシード勢が初戦、常葉大菊川、聖隷クリストファーが開幕6日に登場【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!