試合レポート

大森学園vs東京成徳大高

2019.10.15

6回に3本の三塁打でビッグイニングの大森学園、完封コールドで進撃

大森学園vs東京成徳大高 | 高校野球ドットコム
大活躍した大森学園・豊田君

 夏のチームのメンバーを多く残す大森学園が、経験値からの余裕を示して、東京成徳大高を圧倒して8回顧ルドゲーム、佐々木歩夢君の5安打完封で快勝して2回戦へ進んだ。

 お互い無得点で迎えた3回、大森学園は9番の青栁君が一塁キャンバスで跳ねた安打で出塁すると、続く豊田君も左前打して一三塁から、すぐに盗塁で二三塁。二死にはなったものの4番上野君が中前打して二者を帰して先制。

 6回まで佐々木君が2安打で抑えていたが、その裏、大森学園打線が一気に爆発。先頭の5番佐々木君が自らの三塁打で突破口を開くと、8番鈴木敦樹君、1番豊田君と3本の三塁打で一挙に4点を奪った。

 豊田君は8回にも一死二塁からコールド勝利を決める中越二塁打を放って、この日は5打数4安打で長打2本の3打点。リードオフマンとしてチームリーダーぶりを示した。

 東京成徳大高は背番号8の本橋君が、背中の8番をホームへ向けるような変則のセットから、クセ球で何とかかわしていたが、掴まり出したら抑えきれなくなっていってしまった。2人目同前君、3人目の左腕岩井君も、大森学園打線の勢いを止め切れなかった。

 大森学園は現在の陣容は1年生が18人、2年生が26人という所帯。この秋のチームは「1番から7番までが夏のメンバーそのまま」と和泉隆監督は言うが、それだけに特に秋の大会では経験値は大きくものを言いそうだ。また、25年目となる和泉監督も、例年以上にそんな手ごたえを感じているようだ。

 学校としては校舎に隣接しているのは人工芝で30mと60mというフットサル用のグラウンドしかないと言う。だから、多摩川河川敷や公共グラウンドを借りていくというジプシー練習の環境だという。ところが、先日の台風で毎週金曜日に使用しているという読売ジャイアンツの旧多摩川グラウンドが水没してしまい、使用出来ない状況になってしまった。「あの状況を見たら、やはり悲しいですね」と、和泉監督も復旧までに時間のかかる状況に半ばあきらめ気味でもあったが、「これからは日暮れも早くなりますから、どの道そんなに長時間(練習を)やれませんでしたから」と、前を向いて次へ向かう姿勢を示していた。

 茨城県の稲敷町には、宿泊施設とグラウンドも保有しているという。週末には、そこでの実戦練習なども組んでいくことが多いという。いわゆる、中堅校からもうワンステップ上がっていきたい、今大会はその好機でもあるようだ。

(文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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