桑田真澄(PL学園) PLに大きく育ててもらい、そして甲子園でさらに大きく育ててもらった
11月9日から2日間かけて行われるマスターズ甲子園。今年で第16回目となる今大会に出場しているPL学園。かつて全国に名を轟かせた野球ファンならだれもが知っている強豪出身でプロ、メジャーと渡り歩いた桑田真澄氏。今年からOB会長にも就任された桑田が「PL学園時代は1番だった」ということで、背番号1を付けて今大会に出場した。
久しぶりの聖地で感謝の意をもって躍動した
桑田真澄(PL学園)
「昨夜からワクワクした気持ちで、ちょっと嬉しくて眠れなかった」という桑田は、利根商戦はベンチスタート。味方打線が3対1と2点リードを奪った4回からマウンドへ上がる。
桑田の姿を一目見ようと駆け付けた多くのファンは、マウンドに上がることがわかると歓声と拍手で背中を押す。声援を一身に受けた桑田は「15歳の時に初めてプレーをさせてもらって、この球場に育ててもらった」と思いながら、110キロ~120キロ台のストレート。さらに代名詞であるカーブを織り交ぜながらのピッチング。
力みを感じさせない流れるような綺麗な投球フォームは、今もなお健在。桑田本人は、「気持ちは高校生のつもりで投げていました。しかし、思ったように投げられない」と語るが、51歳という年齢で120キロ台のボールを投げ込めるのはさすがだろう。
その桑田は先頭を粘られた末に四球で歩かせてしまうが、続くバッターをショートライナーで併殺。その後連打を許し、失点のピンチを招くも、ホームを踏ませず何とか無失点。桑田自身もこの場面を、「バックに助けられながら抑えられて良かった」と振り返る。
5回もグラウンドに歩みを進める桑田だったが、その先はマウンドではなくショート。PL学園時代も就いたことのないショートの守備に就いたのだ。
ショートでどのような動きを見せるのか注目したが打球は飛んでこず。しかし、セカンドとの併殺プレーの時に見せた動きは俊敏でスタンドの観客も驚きの声が漏れていた。
そして6回に打席ではライトへ二塁打を放ち、味方のタイムリーでホームに返ってきた桑田。試合はそのまま5対1でPL学園が勝利し、笑顔で試合を終えることが出来た。
この試合を振り返って、「いろんな世代が1つのチームになって戦えて有意義でした」と懐かしのPLのユニフォームを身にまとい試合を存分に楽しんだ桑田。一方で母校は現在休部状態で、OB会長して母校の野球部復活に向けて議論を重ねているそうだ。
そしてKKコンビとしてともに全盛期を支えた清原和博氏について聞かれると、「いずれキヨも一緒にプレーできれば嬉しいですし、ファンの方も嬉しんじゃないでしょうか」とコメントを残した。
そんな桑田が母校について、「僕はPLに大きく育ててもらって、そして甲子園でさらに大きく育ててもらって感謝の気持ちです」とコメントした。さらに、「野球から学んだ様々なことをこれからの人生に活かしたいですし、野球界にも貢献したいですね」と語った。
近年野球人口の減少が問題視される野球界にどんな形で貢献するのか。また、清原との再会はどんな形で実現するのか。2人がPLのユニフォームを着てともにグラウンドに立つ日を楽しみにしたい。
(取材=田中 裕毅)