選抜ボーダーラインの広島新庄。出場することを想定して練習に取り組む真意とは
広島新庄野球部
今秋の中国大会ベスト4の広島新庄。今秋は広島県大会優勝を果たし、1位として出場した中国大会で準決勝で倉敷商に4対7で敗戦。あと一歩で目標としていた明治神宮大会の出場権を逃す結果となった。
だが選抜の望みはまだある。3月19日から開催される第92回選抜高等学校野球大会は、中・四国地区から5校が選ばれる。内容面で広島新庄は一歩有利だ。四国大会の準決勝はどちらもコールドゲームで、広島新庄と争うであろう創志学園は準決勝でコールドで敗れた。この結果から、選抜への切符は広島新庄が有利という声が多い。
名将・迫田守昭監督は出場することを想定して取り組ませている。
「選抜に選ばれるかどうか不安ではありますが、選ばれると信じて練習しないとダメです。中途半端な気持ちのまま練習に取り組んで、もし選ばれたら甲子園で勝つことは難しいです。選ばれると信じて練習しないと活躍できないですから」
全国の舞台で勝つことを想定しなければ、大きな飛躍に繋がらない。逆にもし仮に選ばれなかったとしても、全国の舞台を想定した練習は必ずプラスに働く。だから選抜を想定して冬を過ごすことで、結果として夏への良い練習ができるのだ。
実際に練習を目に移すと、ナインは指揮官の言葉に刺激されるよう、真剣な眼差しで練習に取り組んでいた。11月でも広島新庄の特色である実戦を意識した緊張感ある練習を行っている。
広島新庄・下志音主将
現在、広島新庄ナインの課題は接戦時のあと一歩の詰めだ。
主将の下志音は「秋の大会を通じで経験値を積んだり、広島県外のチームの強さを感じられたのは良かったです。けど、あと一歩の詰めの甘さが課題なので、自覚をもってやっていきたい」と秋季大会を通じて収穫と課題を振り返った。
果たして広島新庄に吉報は届くのか。選抜出場の便りを待ちながら、さらなるステップアップを図る。
(記事=田中 裕毅)
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