リバプールに移籍した南野拓実の母校・興國高校は野球も盛ん
試合中の興國スタンド
サッカー界で大きなニュースが日本中を駆け巡った。日本代表として活躍する南野拓実が、プレミアリーグの名門リバプールへ移籍することになったのである。
リバプールは昨季、欧州CLを制覇しており今季もプレミアリーグで首位を独走する名門中の名門である。そんな南野は大阪府の興國高校出身(当時の所属はサッカー部ではなくセレッソ大阪)だ。
興國高校は南野以外にも多くのサッカー選手を輩出している名門高校だが、その他のスポーツも盛んである。プロボクサーの井岡一翔も同校の出身だ。もちろん野球部も名が知れており、OBには1990年ドラフト会議で阪神から1位で指名された湯舟敏郎がいる。
興國高校の野球部は全国の舞台での実績もある。これまでに春夏あわせて7回に渡って甲子園へと出場しており、夏の甲子園では、初出場となった1968年の第50回大会で快進撃。決勝では後に巨人などで活躍した新浦壽夫擁する静岡商業高校相手に1対0で完封勝ちを収め、初出場初優勝を飾ったのである。
1975年の夏以来、甲子園の舞台からは遠ざかっているが、野球部に力を入れていないわけではない。
現在、監督を務めるのは元ロッテの喜多隆志氏である。喜多氏は智弁和歌山高校から慶応大学へと進み、2001年ドラフト1巡目でロッテから指名されNPB入りを果たす。
即戦力の左の外野手として期待されたが、NPBでは53試合の出場にとどまり結果を残すことができなかった。現役を引退後に母校・智弁和歌山高校の部長を務め2018年8月から興国高校の監督へと就任したのである。
元プロ野球選手であり、強豪校に部長として携わってきた喜多氏を監督に据えるということからも同校の意気込みは伝わってくる。
とはいえ、まだまだまだまだ発展途上のチームだ。昨夏の大阪大会は住之江ブロック1回戦で大阪商大高校に1対3で敗戦。新チームとなってから挑んだ秋季大会では、Cブロック3回戦で金光大阪高校に0対2敗れている。全国屈指の激戦区である大阪を勝ち抜くのは容易ではない。
競技は違えど、南野の活躍に在校生が奮起し、1975年以来となる甲子園の舞台を掴むことを期待したい。
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