ヤクルトは半数以上が高校生指名だと当たりドラフト 奥川、長岡、武岡もジンクスにあやかるか?!
2019年ドラフト1位の奥川恭伸(写真は星稜時代)
ヤクルトは昨年のドラフト会議で目玉のひとりである奥川恭伸(星稜)に入札。3球団競合の末に、交渉権を確定させた。一時期はノースロー調整となっていたが、現在はブルペン投球も行っている。
奥川一色だった昨年のドラフト指名選手だが、5位と6位で同じ高校生の選手を指名している。長岡秀樹(八千代松陰)と武岡龍世(八戸学院光星)である。
2位から4位までは大学生の即戦力となりうる投手を指名したが、下位では将来への布石を打っていた。チームは最下位だったが、ドラフト指名選手の半数を高校生が占めたわけだ。
ヤクルトのドラフトを振り返ってみると、分離ドラフトが終わった2008年以降で指名選手の半数以上が高校生だったのは今回が4度目。過去、高校生の指名が半数以上を占めたドラフトを振り返るといずれもチームの中心選手が誕生している。
2008年は赤川克紀(宮崎商/1位)は長く活躍をすることはできなかったものの、2011年に6勝、2012年に8勝を挙げた。八木亮祐(享栄/2位)も2013年に規定投球回に到達。その後、トレードで退団となったが、替わりにやってきた近藤一樹はいまやチームに欠かせない中継ぎエースとなっている。中村悠平(福井商/3位)はチームの正捕手へと育った。
2010年は山田哲人(履正社/1位)が球界を代表する選手となったのは周知の事実。この山田だけでも大成功だが、西田明央(北照/3位)も捕手・一塁をこなすサブとして地味ながら戦力となった。
今から5年前となる2015年は廣岡大志(智弁学園/2位)が遊撃のポジションを争うまでに成長し、昨シーズンは2桁本塁打も記録した。高橋奎二(龍谷大平安/3位)も一軍デビューまでに時間はかかったものの、今シーズンは先発ローテーションに入る勢いだ。
このように高校生が半分以上を占めたドラフト会議で指名された高校生たちは、数年の時を経てチームの主力へと成長しているのである。それもひとりではなく、複数の選手が戦力となっているのは明るい材料だ。
もちろん指名が多いことで活躍する選手が多くなるのは当然だが、毎回複数人が結果を残しているのは心強い。
昨年のドラフトで入団した奥川、長岡、武岡もジンクスにあやかることができるだろうか。
【ヤクルトの高校生指名が半数以上だったドラフト】
※2008年以降
※育成はのぞく
<2019年/6名中3名>
1位:奥川恭伸(星稜)
2位:吉田大喜(日体大)
3位:杉山晃基(創価大)
4位:大西広樹(大商大)
5位:長岡秀樹(八千代松陰)
6位:武岡龍世(八戸学院光星)
<2015年/6名中4名>
1位:原樹理(東洋大)
2位:廣岡大志(智弁学園)
3位:高橋奎二(龍谷大平安)
4位:日隈ジュリアス(高知中央)
5位:山崎晃大朗(日大)
6位:渡邉大樹(専大松戸)
<2010年/6名中3名>
1位:山田哲人(履正社)
2位:七條祐樹(伯和ビクトリーズ)
3位:西田明央(北照)
4位:又野知弥(北照)
5位:久古健太郎(日本製紙石巻)
6位:川崎成晃(熊本Gクラークス)
<2008年/5名中4名>
1位:赤川克紀(宮崎商)
2位:八木亮祐(享栄)
3位:中村悠平(福井商)
4位:日高亮(日本文理大付)
5位:新田玄気(パナソニック)
(記事:勝田聡)