手書きで想いを伝える。長野西が自粛期間に取り組んできたこと
活動を再開した長野西 写真提供=長野西野球部
今回の新型コロナウイルスの影響を受けて、Zoomの存在が脚光浴びた。Web会議ツールであるZoomだが、今回の事態を受けてビジネスマンを中心に様々な使われ方で話題となった。高校野球界でもミーティングはもちろん、一緒にトレーニングをするために活用するなど、いくつかの学校で使われていたが、選手たち発信でZoomを使っているのが長野西だ。
4月から入ってきた新入生にチームの雰囲気を理解してもらう意味も込めて、選手たちによる3学年合同でミーティングやトレーニング。さらにチームを指揮する大槻寛監督の大学時代の後輩たちによる進路相談会など、3年生の今後のことまでケアを毎日Zoomでやっており、「選手たちで『やってやろうぜ』ではないですが、色んな手段を使って高いモチベーションを維持できていると思います」と大槻監督も選手たちの取り組みに安心をしている。
そんな大槻監督は選手たちにあるプレゼントを渡した。それはメディシンボールだ。
長野西は2月29日から学校が一度自粛となり、4月1日からの9日間のみ学校が再開した。しかし4月9日には再び自粛期間に戻り、5月18日から分散登校という形で少しずつ学校が再開する動きとなっている。この2回目の休校のタイミングで選手たちにメディシンボールを渡した。
「選手たちには『トレーニングだけでもしっかりやって身体を鍛えれば何とかなる』と口酸っぱく伝えていました。ですが選手たちの立場になって考えると、腕立て伏せやスクワットはできても動きの中で鍛えるのは難しいのかなと。普段からメディシンを使って動きの中で鍛えてきましたので、爆発力を養う意味でも選手たちに渡しました」
現在は選手それぞれで1日の取り組みを考えて練習して、その内容を野球ノートに書く。それを写真で撮影してLINEで大槻監督に報告する形でコミュニケーションを取っている。そこでも大槻監督は「実際に手書きでコメントをした方が温かみがある」ということで、普段の野球ノートのやり取りのように、画像に自分の字で感想を書いて返答している。ここでも大槻監督らしい選手たちへの心配りがある。
「4月頭に戻ってきたときに上手くなって帰ってきた選手もいたので、取り組みに関しては不安はないです。ですが今回の事態を受けて精神的に揺らいでいる選手も野球ノートを見ているといたので、まずは選手たちの気持ちをきちんと理解してからグラウンドで思い切り練習ができればと思っています」
分散登校のため全員での練習はもう少し先になるが、全員で練習できる日は確実に近づいている。
関連記事
◆史上初の二度目の春夏連覇を導いた西谷監督が語る大阪桐蔭に必要な2つのマインドから見える一流選手になる条件
◆全国制覇8度を誇る大阪桐蔭の戦績・卒業生の進路を紹介!
◆ユーティリティプレーヤーとしてNPBへ 岸潤一郎(徳島インディゴソックス)