4人の争い? オリックス史上初の生え抜き高卒の正遊撃手は誕生するか?
仮契約時の宜保翔(沖縄未来高出身)
5月19日にオリックスの期待の若手である宜保翔が、右手有鉤骨の疲労骨折により離脱した。
宜保は2018年ドラフト5位で指名を受け、未来沖縄高校からオリックスへと入団。昨シーズン終盤に一軍昇格を果たすと、8試合で打率.231(26打数6安打)と高卒1年目としてはまずまずの成績を残した。また、ドラフト1位で入団した同じ高卒の遊撃手である太田椋よりも先に初安打を記録したのである。
西村徳文監督の宜保にかける期待は大きい。この春のオープン戦では宜保と安達了一、大城滉二、山足達也の4人を遊撃手として起用しているが、宜保は安達と並びチーム最多タイの8試合に出場していることからもそれはわかる。
そのなかで打率.344(32打数11安打)の成績を残し、開幕一軍はもちろん、遊撃のレギュラー争いにも名乗りをあげていただけに無念の離脱となってしまった。
さて、オリックスのドラフト指名選手を見ると、ここ数年、毎年のように高卒の遊撃手候補を指名していることがわかる。
宗佑磨(横浜隼人/2014年2位)、岡崎大輔(花咲徳栄/2016年3位)、廣澤伸哉(大分商/2017年7位)、太田椋(天理/2018年1位)、宜保翔(未来沖縄/2018年5位)、紅林弘太郎(駿河総合/2019年2位)と2014年からの6年間で6人もの「高卒遊撃手」が新加入しているのである。
安達や大城の次の世代を育てていきたい意図が見え隠れする。
このなかで宗はすでにコンバート済み、そして岡崎は育成契約に切り替わった。そのため現時点では廣澤、宜保、太田、紅林が次世代のレギュラー遊撃手候補となる。
新人の紅林はもちろん、その他の3人も一軍での実績はない。宜保が昨シーズン、そしてオープン戦で結果を残したが、今回の骨折での離脱もあり大きなリードというわけではない。まだまだしばらくは競争が続くことになりそうだ。
ちなみにオリックスは1989年に阪急から球団を買収して以降、高卒生え抜きのレギュラー遊撃手は誕生していない。はたして、近年のドラフトで入団してきた彼らが、近い将来レギュラーを勝ち取ることができるだろうか。オリックス史上初となる高卒生え抜きの遊撃手誕生に期待したい。
【2019年成績】
廣澤伸哉
[一軍]出場なし
[二軍]90試合/打率.157(153打数24安打)/0本塁打/6打点
太田椋
[一軍]6試合/打率.000(13打数0安打)/0本塁打/0打点
[二軍]64試合/打率.258(233打数60安打)/6本塁打/21打点
宜保翔
[一軍]8試合/打率.231(26打数6安打)/0本塁打/0打点
[二軍]111試合/打率.227(375打数85安打)/0本塁打/20打点
紅林弘太郎
[一軍]2020年新人
[二軍]2020年新人
(記事:勝田聡)
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