秋の中国地区大学リーグ開幕! 環太平洋大vs福山大はハイレベル投手戦に!
最速149キロ右腕・福山大先発の山崎 友輔(4年)
2020年9月5日(土)、春季は1部リーグ第1週の一部を終えた時点で打ち切りとなった「中国地区大学野球」秋季リーグ1部が岡山県倉敷市のマスカットスタジアムで開幕。第3試合では春はリーグ戦を戦うことなく終わった環太平洋大と福山大とが激突し、ハイレベルな投手戦が繰り広げられた。
福山大はすでにプロ志望届提出を明言している最速149キロ右腕・山﨑 友輔(4年・右投右打・玉野商<岡山>・176センチ80キロ)が先発し、5球団のNPBスカウトが見守る中で4回までは環太平洋大打線を4回3安打3奪三振無失点。
148キロを複数回マークしたストレートに加え、本人いわく「スラ―ブ系とカットに近い」スライダー2種、110キロ後半のカーブをタイミングよく投げ分け元西武ライオンズ内野手の環太平洋大・安藤 信二監督も「ボールもキレていたので、球数を投げさせて後半勝負と思っていた」ほどの出来栄えだった。
ただし「自分のピッチングをしていこうと思った」環太平洋大先発の最速150キロ右腕・大石 将斗(3年・右投右打・創成館<長崎>・178センチ88キロ)も最速147キロをマークしたストレートに加え、130キロ台のカットボール・フォークなども駆使して福山大打線を翻弄。
そして5回裏に熱中症の影響で急激に状態を落とした山﨑から4点を先制(山﨑は4回3分の2・86球を投げ4安打2四球4奪三振・失点4・自責点4で降板)した環太平洋大は、7回81球4奪三振1四球1失点の大石を継いだ2番手・辻 祐希斗(2年・右投右打・関大北陽<大阪>・174センチ77キロ)も最速151キロを出しての2三振を奪い16球で0封。
最後は福山大の粘りに1点差まで迫られたが、2年前の明治神宮大会でも躍動した変則左腕・仲尾 元貴(3年・左投左打・生光学園<徳島>・175センチ65キロ)が火消しを果たして4対3と勝利を飾った。
環太平洋大は昨年から投手コーチを務める元・福岡ソフトバンクホークス、東北楽天ゴールデンイーグルス投手の金 無英氏に加え、今年からは福岡ソフトバンクホークス、東北楽天ゴールデンイーグルス、千葉ロッテマリーンズでコーチを歴任した田口 昌徳氏をヘッドコーチとして招へい。
「田口さんとは同級生ですし、参謀格としてのコーチが以前から欲しかった中でタイミングが合った」と安藤監督も待望していた指導体制の確立により、環太平洋大の2018年の明治神宮大会準優勝を超える日本一獲得と、又吉 克樹(中日ドラゴンズ)ら過去3人は全て四国アイランドリーグplus・香川オリーブガイナーズを経ていた出身選手の「大卒ドラフト指名」は、より確かな歩みとなろうとしている。
最速151キロを出した環太平洋大・辻 祐希斗(2年)
その他、第1試合では東亜大が最速151キロ右腕・中内 亮太(4年・右投右打・五條<奈良>・181センチ102キロ・社会人野球志望)が球速を最速145キロに抑えるなど「勝つことにこだわる」投球で今年から1部昇格の広島文化学園大に対し10対2(7回コールド)で快勝。徳山大が宮崎 光志(4年・右投右打・長門<山口>・174センチ70キロ)、中本 至音(1年・左投左打・聖光<山口>・175センチ80キロ)のリレーで吉備国際大に2対0の完封勝ちを収めた。
なお、中国四国地区の2020年度秋季大学野球はこの日、中国地区と共に開幕した四国地区大学野球リーグと9月12日(土)開幕予定の広島六大学野球リーグが全て各カード2試合対戦での計10試合勝率での順位決定方式を採用。
各リーグ1部の勝者同士は10月31日(土)に四国地区内球場において「三連盟代表決定戦」を実施。巴戦の勝者が11月20日(金)開幕予定の明治神宮野球大会出場権を得ることになっている。
(記事=寺下 友徳)