【ロッテ】キャンプ1軍の佐々木朗希 先輩投手の結果から見る高卒2年目のハードル
入団会見での佐々木 朗希(大船渡出身)
1月も中旬に入り球団によっては、2月1日から始まる春季キャンプの振り分けが発表されている。そんななか、ロッテは2019年ドラフト1位の佐々木 朗希が一軍スタートすることが明らかになった。
佐々木は大船渡高時代に160キロを計測した豪腕だが、ルーキーイヤーは一軍・二軍ともに登板がなかった。シーズン終了後に行われたフェニックス・リーグでも登板はせず、デビューは2021年に持ち越されている。
プロの世界では実績のない佐々木ではあるが、井口 資仁監督がかける期待は大きい。オンライン取材では、「先発ローテーションを目指して競争してほしい。昨年と大きく違うのは体が仕上がっているところ」とコメントした。
石川 歩や美馬 学、二木 康太らにつづく先発ローテーション争いに加わることができれば、一段と層が厚くなることは間違いない。
さて、ロッテの先発投手陣は二木だけではなく、岩下 大輝、トミー・ジョン手術を受けリハビリ中の種市 篤暉や西野 勇士と高卒出身の選手は多い。そんな彼らをはじめとした高卒出身の投手たちは、2年目にどのような成績を残していたのだろうか。少し振り返ってみたい。
先に触れたとおり、ロッテには若くして先発ローテーションに入っている高卒出身の投手は多い。しかし現在所属している高卒出身の生え抜き投手の中で、2年目時点で規定投球回に到達するほどの成績を残していたのは、勝ちパターンの一角を占める唐川 侑己ひとしりかいない。
唐川はルーキーイヤーに5勝を挙げ、2年目から先発ローテーションを任されるようになった。5勝8敗と3つの負け越しがあったものの、143.2回を投げ防御率3.64は十分な数字だろう。
その唐川に続くのが種市である。種市は0勝4敗、防御率6.10と苦しみながらも38.1回を投げた。そう。唐川以外では100イニングはおろか、50イニングに到達した投手もいないのである。
後に中継ぎへ転向し侍ジャパンに選ばれることにもなる西野や、急成長中の岩下に至っては一軍登板すらなかった。
また、高卒2年目に勝ち星をあげたのは唐川と大嶺 祐太のふたりだけ。先発ローテーションに入ることはもちろん、白星を手にすることも簡単ではないのである。
とはいえ、高校生ながら160キロを投じた佐々木は規格外。これまでの常識を覆す可能性も十分にあるだろう。井口監督の期待通り、一軍の先発ローテーションに入り、勝ち星をあげることはできるのだろうか。
<ロッテの高卒出身投手の2年目>
※生え抜きのみ
※2021年シーズン支配下登録
大嶺 祐太(八重山商工高/2006年高1巡)
[2008年]7試合 2勝2敗 32.2回 奪三振23 与四球8 防御率5.23
唐川 侑己(成田高/2007年高1巡)
[2009年]21試合 5勝8敗 143.1回 奪三振115 与四球28 防御率3.64
西野 勇士(新湊高/2008年育5位)
[2010年]一軍登板なし
二木 康太(鹿児島情報高/2013年6位)
[2015年]1試合 0勝0敗 5回 奪三振3 与四球2 防御率1.80
岩下 大輝(星稜高/2014年3位)
[2016年]一軍登板なし
成田 翔(秋田商高/2015年3位)
[2017年]4試合 0勝2敗 12.1回 奪三振8 与四球4 防御率4.38
種市 篤暉(八戸工大一高/2016年6位)
[2018年]7試合 0勝4敗 38.1回 奪三振28 与四球13 防御率6.10
古谷 拓郎(習志野高/2018年6位)
[2020年]2試合 0勝1敗 6.1回 奪三振7 与四球7 防御率4.26
土居 豪人(松山聖陵高/2018年8位)
[2020年]一軍登板なし
(記事=勝田 聡)
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