ケガを防ぐためのクールダウン
チーム全体で取り組むことがベストだが、時間のないときは帰宅後に実践しよう
公式戦が近づいてくると、最も気をつけたいものがアクシデントによるケガです。コンディションが良くない状態でプレーすると思うような動きができず、「本当ならもっとできたのに・・・」と後悔することも。このような状況を避けるためにも不用意なケガには注意し、体の変化に対して敏感に対応していきましょう。
体のコンディションを確認するバロメーターとなるのがウォームアップやクールダウンなど練習前後のコンディショニングです。一般的にウォームアップはチーム全体で取り組むことが多いと思いますが、クールダウンについては練習時間などの兼ね合いなどもあって、個人に任せていることも少なくないと思います。ただクールダウンをおろそかにしてしまうと、練習後の体の状態や疲労具合、違和感などに気づくのが遅くなり、蓄積疲労によってケガをしてしまうことも考えられます。練習後や帰宅後でも構いませんので、クールダウンを行う習慣を身につけましょう。クールダウンで行ってほしいことは、
1)疲労回復をうながすためのジョギング
2)柔軟性を回復させるためのストレッチ
3)血流を良くするためのコンディショニング
です。
1)疲労回復をうながすためのジョギング
ハードな練習を行った後は体内に疲労物質がたまります。いつもどおり過ごしていても時間の経過とともに疲労物質は代謝されますが、軽いジョギング(隣の人と会話できるくらいの強度)を行うことで血管の収縮をうながし、体内にたまった疲労物質を分解して体外に排出するサイクルを早めます。筋肉痛の軽減にも役立ちます。5~10分程度行うとよいでしょう。
2)柔軟性の回復させるためのストレッチ
筋肉は体が動くたびに「縮む」と「伸びる」を繰り返します。収縮を繰り返した筋肉は緊張状態となりやすいため、縮んだ筋肉をもとの長さに戻すためにストレッチを行います。この場合のストレッチは体が温まっている練習後や入浴後などが理想的な時間帯です。練習後に時間がない場合は、帰宅して入浴後にストレッチを行うようにしましょう。筋肉の緊張状態をゆるめ、柔軟性が低下することを防ぎます。疲労によるケガの予防にもつながります。
3)血流を良くするためのコンディショニング
投手などで肩や肘のケアをする場合、痛みがあるときはアイシングなどで部分的な炎症を抑えることを優先させますが、疲労によるだるさや筋肉が張ったような状態であれば血流をうながすために軽く動かしたり、インナーマッスルのトレーニングを行ったりするようにしましょう。肩や肘の他にも股関節や胸郭などを動かすようなトレーニングもオススメです。疲労や柔軟性の回復を早めることで慢性疲労におちいることを予防します。
時間にして20~30分以内でできるクールダウン。こうした小さな積み重ねが疲労によるケガを防ぐことにつながるため、毎日の習慣として行うようにしましょう。
文:西村 典子
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