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浦和学院vs聖望学園、細田学園vs狭山ヶ丘と注目カードが続々!埼玉展望vol1

2021.07.08

 7月9日から開幕する第103回埼玉大会。今大会の見どころを紹介したい。まずは浦和学院立教新座のブロックの見所を紹介していきたい。

浦和学院vs聖望学園、細田学園vs狭山ヶ丘と注目カードが続々!埼玉展望vol1 | 高校野球ドットコム大会展望
浦和学院vs聖望学園、細田学園vs狭山ヶ丘と注目カードが続々!
上尾vs川越工の伝統校対決に注目!強力打線・昌平の課題は?
投打ともに全国トップクラスの花咲徳栄のブロックに強豪が続々!

激戦必至!浦和学院vs聖望学園の見所

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三奈木亜星(浦和学院)

 なんといっても注目なのは浦和学院vs聖望学園の対決だろう。浦和学院は、コロナ禍があり、長期間の活動自粛。対外試合ができるようになったのも3月末からで、地区予選はほぼぶっつけ本番。公式戦を重ねるごとに感覚を取り戻しながら本来の実力を発揮できるまでとなった。関東大会ではベスト8まで勝ち進んだ。

 投手では2年生左腕の宮城誇南、146キロ右腕の三奈木亜星、遊撃手の吉田匠吾の3人が中心。この3人とも野手として能力が高いのが魅力。宮城はストレートとスライダーの切れ、コントロールの精度が非常に高く、小島和哉(千葉ロッテ)を思い出させる。打者としてもバットコントロールが良い。

 ドラフト候補として注目される三奈木は直近の練習試合では、最速で145キロ、6キロを連発している。課題であるコントロールや変化球の精度を高めるために、日々の投球練習では、試行錯誤をしながらベストボールを投げる姿勢があった。また打者としても、合理的なスイングで、次々と安打を量産する。

 下級生から俊足巧打の遊撃手として活躍した吉田は昨秋の練習試合でも投手として登板を重ね、この春にかけて投手としても成長。関東大会では最速138キロをマークし、コントロールも良い。落ち着いたマウンド捌きで打たせて取る投球が持ち味で、リリーフとして待機。この夏はセカンドでチームを引っ張る。この3人の投手に加えて、夏に急浮上してきたのが、2年生の金田。この春はファーストだったが、夏では投手の練習を開始。滑らかな体重移動から繰り出す切れのあるストレートは絶品。遊撃手の練習も行っている。森監督によると、この4人が投手陣の軸として考えており、この4人については、複数ポジションで守れる準備を行っているようだ。

 また打線はタレント揃いで、好投手に対しても強打を発揮する捕手・吉田瑞樹、守備範囲の広い外野守備を見せる藤井一輝、広角に鋭い打球を飛ばせる左

 打者・松嶋一希と強力な打者が多い。3大会ぶりの甲子園も狙える位置にきている。

 対する聖望学園は強打が持ち味。俊足巧打の遊撃手・小林蒼汰、スラッガー・佐々木海斗は6月末の時点で高校通算16本塁打を放っており、中学時代にはシニア日本代表を経験している。チームトップクラスの俊足・山本涼貴も脅威だ。課題である投手力の整備も進めている。本番へ向けて、選手間ミーティングを増やして結束を深めてきた。

 激しい試合になることは間違いないだろう。

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狭山ヶ丘vs細田学園の対決に注目

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松本悠希(細田学園)

 同ブロックではノーシードから登場する東農大三、シードの本庄東に注目だ。本庄東は捕手・安澤崇徳、三塁・寺田壮真と春季県大会で高打率だった2人を
中心につなぎの野球で上位進出を目指す。

 昨秋準優勝で今年もシードを確保した細田学園は昨夏独自大会優勝の狭山ヶ丘と対戦。細田学園は好投手・松本悠希を中心に攻守にまとまりのあるチーム。また狭山ヶ丘は新1年生が春季大会から戦力に加わり、層が厚くなった。

 今春の県大会・浦和学院戦では無安打に終わり、悔しい負けを味わった。本番へ向けて、投手力、打撃力も強化。平沢監督が成長点にあげたのは判断力が高い選手が多くなり、作戦の引き出しが広くなったと手応えを実感している。

 大会序盤の注目カードとして盛り上がりそうだ。同ブロックでは好投手・石田 陵馬擁する市立川越も浮上を狙う。

 またベスト8入りした立教新座は3年生を中心にまとまりがあり、ここぞという場面の集中打で勝ち上がってきた。打線のキーマンは2年生4番の金子永。中学時代はU-15の軟式代表の4番を務め、北海道日本ハムで活躍した金子誠氏を父に持つ。春季県大会準々決勝の上尾戦では4三振に終わったが、やはり打者としてのポテンシャルは素晴らしいものがある。厳しいマークをされる中でも勝負強い一打を期待したい。

(文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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