若手スラッガー競争に勝った秋広優人は高卒1年目から別格の長打力を発揮
高校時代の秋広優人(二松学舎大附)
巨人の若手生存競争は熾烈だ。特に左打ちのスラッガーの競争は激しい。先日、戦力外通告が発表されたが、同タイプの選手をどちらを残すか考えた時、成績を残せない選手は残念ながら、構想外となってしまう。この事実は将来、プロ野球選手になりたい選手にとっては受け止めていきたい事案である。
さて巨人ファンにとってのポジティブな情報は秋広優人(二松学舎大附出身)の躍進だ。この1年目はどんな結果になっても起用され続け、イースタン・リーグで82試合に出場した。302打席に立ち、8本塁打、26打点、打率.229、OPS.661と高卒1年目としてはかなり上出来な数字で、一軍初出場も経験した。
200センチもあって、動きもしなやかで強肩で、さらに技術的にも高度。高い評価を受けての当然の逸材で、その期待にふさわしい結果を残したといえる。
ただ、来年以降のパフォーマンスが本当に大切。2年先輩の山下航汰(健大高崎出身)は1年目にファーム首位打者を獲得。それこそ期待の大きさは秋広以上だった。しかし怪我もあり、まだ満足行くパフォーマンスができず、来年以降、目に見えて成長した姿が見せなければ、野球人生の岐路に立つ可能性もある。
理想は今年の紅林弘太郎のような右肩上がり。そうなるためにはとにかく怪我、病気に気をつけて、元気にプレーしてほしい。心技体が万全ならば、主軸打者になってもおかしくない。
(文=河嶋 宗一)